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2019年06月09日

ついてくる・・・・。

これは知人から聞いた話である。



それは彼が20歳くらいの事だったという。



旅が好きだった彼は、とある場所で1人の女性と出会った。



意気投合し、すぐに仲良くなった彼らは、その日の夜、ゆきずりの一夜を



過ごしたという。



彼に言わせると、その女性は彼よりも少しだけ年上に見える大人しい綺麗な女性



だったという。



勿論、その頃、彼女などいなかった彼は、本気でその女性を好きになってしまった



ようだ。



だから、彼らはずっと一緒にいようね、と約束したという。



だが、朝になってみると、その女性の姿はすっかり消え失せていた。



宿の宿泊名簿にも彼の名前しか記載されていなかったという。



そして、それからしばらくしての事である。



彼が、その女性と出会った場所が自殺の名所だと知ったのは・・・・。



しかし、彼はそれからもずっと、その女性を探し続けた。



彼にとってはその女性こそ、まさに理想の女性だったのだから。



だからという訳ではないのだろうが、彼はそれからずっと独身を貫きとおした。



しかし、社会的な立場もあり、親戚や両親からの強い勧めもあって彼はお見合いの末、



1人の女性と結婚した。



ずっと、あの時の女性が忘れられなかった彼ではあったが、妻となった女性は



とても献身的で、いつしか彼の癒しになっていく。



そして、あの時の女性の記憶が少しずつ薄れていくのを感じていたその時、彼の身に



怪異が起こり始める。



最初は夢の中にあの時の女性が現れて、こう言ったという。



嘘つき!・・・・絶対に許さないから・・・と。



彼は夢の中でひたすら謝り続けたらしいが、やはり朝起きて現実に戻ると、あの時



出会った女性は、きっと幻なのだと自分に言い聞かせていたという。



そして、それから、彼の周りで異変が起こり始める。



ある時、彼は友人からこう聞かれたという。



先週の日曜日、一緒歩いてた女性って誰なんだ?



結婚してるのに、よくも堂々と腕を繋いで歩いたり出来るよな?と。



しかし、彼はその日はレンタルビデオ屋まで歩いて行った記憶はあったが、それは



間違いなく彼一人で行動していた。



だから、おかしな事を言うなぁ・・・・・。



そんな風に感じたという。



そして、それからも同じような目撃談が相次いだ。



さすがの彼も不思議に思ったが、それにしても何人もの友人や知人から



同じような場面を目撃されているというのは、簡単に見間違いで



済ませられない状況だった。



だから、彼は、目撃したという友人や知人から、一緒に歩いていたという



女性の特徴を聞いてみた。



すると、誰もが口を揃えて、



お前よりもかなり背が大きくて酷い猫背で髪の長い女・・・・



そう答えた。



しかし、そんな女性に知り合いはいなかった彼は、



そんな女なんて知り合いにいないから・・・・。



だから、間違いなく見間違いだよ・・・・。



そう言い聞かせたという。



しかし、そんなある日、彼は予想外の事態に遭遇する。



彼はその日も、車でレンタルビデオ屋に向かっていた。



夜であり、雨が降っていたという。



ビデオ屋に到着し、ビデオを何本か借りて、車に戻った彼は、エンジンを



掛けながら何気なく運転席の窓を見た。



うわぁ!



思わず悲鳴をあげてしまった。



彼の運転席の窓ガラスには、友人達が見た女の特徴と全く同じ女が映り込んでいた。



酷い猫背で、座高が異常に高く、長い髪の間から見える目は嬉しそうに笑っていた。



彼はその顔を見た時、恐怖とともに、記憶が蘇ったという。



あの時の女・・・・・・。



彼の記憶の中ですっかり美化されていたその女の顔は、紛れもなくあの時、一夜を



伴にした女に間違いなかった。



そして、歳をとった彼とは対照的にその女の容姿は、以前と変わらず若いまま



だった。



彼は恐怖と罪悪感でパニックになり、転がるようにして車から飛び出した。



そして、じはらく放心状態でいたが、次第に冷静さを取り戻した彼が車のドアを



開けると、既にその女の姿は消えてしまっていたという。



しかし、一度、彼自身がその女の姿を見てしまうと、その女は頻繁に彼の前に



現われる様になる。



風呂に入ろうとドアを開けると、その女が立っていた。



夜、トイレに行こうと階段を下りていくと、その女が笑って其処に立っていた。



職場でも、エレベータの中に立っているその女の姿を目撃したし、車を運転



している時でも、道の端にその女が立っているのが見えた。



しかし、彼は、その女性に対してある種の罪悪感を感じていたのかもしれない。



自分が我慢すれば済む事だから・・・・。



そう考えて、その全てをスルーしてきた。



しかし、ある時、夜寝ていると、苦しそうな声で目が覚めた彼は、恐ろしい



光景を目撃する事になった。



それは、その女が妻に馬乗りになって首を絞めている場面だった。



そして、そのまま意識を失った妻を見て、その女はニタリとした笑みを浮かべて



彼の方をじっと見つめてからスーッと消えていった。



それを見た彼は決断した。



妻だけは絶対に守らなければ・・・・と。



そして、彼は会社に転勤を願い出て、紆余曲折あった末に何とか受理された。



新しい土地での新しい生活にある意味、とても安心していた。



しかし、転勤で赴いた土地でも、すぐに同じ状況になってしまう。



しかも、その頃になると、その女の要旨はどんどんと醜く崩れていき、とても



正視出来ないほどだったという。



更に、彼の妻は体調と精神のバランスを崩してしまい、やせ細り、髪もボサボサで



まさに、彼ら夫婦につきまとっているその女と大差ない感じになってしまう。



そんな時、俺は彼からその話を聞いた。



彼はかなり焦燥した様子で半ばパニックになっていたが、俺は全てを



把握すると、彼に対して、



とりあえず、一度こちらに戻ってこいよ・・・・。



もしかしたら何とか出来るかも知れないから・・・・。



そう言って電話を切った。



その時の彼の行動は迅速だった。



突然、奥さんを連れて、俺を訪ねてきた彼は、挨拶よりも先に、



頼む・・・助けてくれ・・・・。



そう言った。



何の準備もしていなかった俺は慌ててAさんに連絡をとった。



いつものように、教育に従事する人間とは思えない程の暴言を俺に浴びせた後、



嫌々ながら、Aさんは、俺の指定する待ち合わせ場所に来てくれた。



彼を見るなり、Aさんは、



あっ、説明されなくても見れば分かりますから・・・。



それにしても、気持ち悪い女ですよね・・・・。



何が嬉しくて、こんな気持ちの悪い笑い方が出来るんだろ・・・・。



そう吐き捨てる様に言った。



そして、少し難しそうな顔をして、彼にこう言った。



まだ未練がありますか?



嫌悪出来ませんか?と。



すると、彼は黙ったまま何も言わなかった。



すると、Aさんは俺の方を向いて、



彼は駄目ですね・・・・。



彼がこの女への未練を断ち切らない限り、私にはどうしようもないですね。



ただ、奥さんだけは何とか守護する事は出来ますから、それで良いですよね?



そう俺に聞いてきた。



俺は、



あの…彼は駄目って、救えないって事?



と聞くと、



この女は自殺霊です。



そして、まんまと彼はこの女に魅入られてしまった。



それから、この女は彼にずっと付いて来ていたんですよね・・・・。



だから、彼の気持ちも完全にこの女に呪縛されてます・・・。



だから、この状態で、私が何をしても、すぐにこの女は復活します。



だから、奥さんだけは護らなくてはいけないと思うんですよ・・・・。



何の罪の無い・・・・奥さんだけは・・・・。



そう言うと、Aさんは奥さんの方へと近づき、大きく手を広げて奥さんの体を



包み込むようにした。



そして、持ってきた水晶を手に握らせ、何かを呟いていた。



それから終わると、Aさんは、奥さんに護符を渡してこう言った。



これで、貴女だけはもう大丈夫ですよ・・・・。



何者も貴女に近寄る事は出来ないはず・・・・。



もしも、近づこうとすれば、そいつが痛い目に遭うだけですから・・・。



そう言って、にっこりと笑った。



そして、それからも、彼らは夫婦としての関係を続けている。



ただし、日毎に元気になっていく奥さんとは対照的に、彼は日増しに病的に



痩せていっているそうだ。



だから、俺はもう一度だけAさんに頼んでみた。



何とか出来ないのか?と。



すると、Aさんは冷たい口調で、



あの女の自殺霊に魅入られたのは、彼にとっては事故だったのかもしれません。



だけど、今は彼が一番やらなければいけないのは奥さんを護るという事。



彼がまず、あの女と対峙しなければいけないのに・・・。



それも分からずに、あの女と奥さんの間で、どっちつかずの気持ちでいる限り、



彼を救う手段は何もありませんよ・・・・。



そして、それはどんな凄い霊能者でも結果は同じ事です・・・・。



そう言われてしまった。



やはり、彼を救うには彼自身が変わらなければいけない・・・・。



そう言う事なのだろう・・・・。


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:24│Comments(0)
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