2019年06月09日

コインパーキング

これは友人から聞いた話である。



友人の叔父は元々持っていた土地を利用してかなり大きめなコインパーキングを



経営している。



立地条件にも拠るとは思うのだが、叔父が所有しているコインパーキングは



駅に近く金額も安めに設定している事もあり、かなりの収入に



なっているそうだ。



ただ、やはり、不正に料金を踏み倒す利用者というのも存在するらしい。



叔父のコインパーキングというのは、入庫すると、タイヤ止めが持ち上がり



料金を支払うまでは車を動かせなくなるというもの。



それでも、大型のオフロード車などになると、いとも簡単にタイヤ止め



を乗り越えてお金も払わずに出庫されてしまうらしい。



だから、叔父のパーキングでは監視カメラというものが、設置されている。



そして、パーキングの看板に、「監視カメラ作動中」と書かれている



だけでも、不正防止の効果はかなり高いらしく、監視カメラを設置



してからというもの、一気に不正利用する客が減ったらしい。



そうして、その叔父のコインパーキングは順調に収益を上げていった。



しばらくの間は・・・・。



しかし、カメラを設置してから数ヶ月が経った頃、次第にそのパーキング



を利用するものが減っていき、そのうち、誰も利用しなくなってしまう。



叔父にはその理由が分からなかった。



その近くにあるパーキングは、相変わらず常に満車状態であり昼夜問わず



利用者の車で溢れかえっていた。



叔父は色々と近くの駐車場を見て周り、自分の経営するパーキングと



何処が違うのか、と調査してみた。



しかし、駐車スペースも利用金額も同じ。



そして、タイヤ止めの方式も監視カメラが付いている事も全て同じだった。



そして、何より、叔父が経営するコインパーキングが駅から一番近かった。



利用する側としては、もっとも利便性が良いパーキング。



だとしたら、どうして、自分のパーキングにだけ誰も車を停めようと



しないのか、と必死に考えた。



しかし、どれだけ考えても理由は見つからなかった。



そんな時、人づてに妙な噂を聞いたという。



それは、そのパーキングを利用すると、霊が乗ってくる、というものだった。



霊など信じない叔父は、



何を馬鹿な事を(笑)



と一笑に付した。



そして、もしかしたら、自分の経営するパーキングでは車上狙いが



起きているのかもしれない、と思い、パーキング内の監視カメラを



大幅に増やしたという。



しかし、それでも状況は変わらない。



仕方なく、叔父は駐車料金を大幅に下げた。



そうすると、さすがに利用客はわずかに増えたが満車には程遠い。



そんな時、叔父のもとに利用客だという男性から電話がかかってきた。



貴方のパーキングは呪われている・・・。



そのせいで、出庫してからすぐに事故に遭ってしまった・・・。



そういうクレーム内容の電話だった。



さすがに、そうなると、霊の存在というのも、いつまでも否定



している訳にもいかなくなった。



そして、過去の監視カメラの録画映像を確認した時、叔父は凍りついた。



そこには、はっきりと得体の知れないものが映り込んでいた。



最初は、ただの酔っ払いの女が駐車場内をうろついているのだと思った。



しかし、その女は、駐車されている車に近づくと、その車にドアを



開ける事無く乗り込んでいった。



ドアを通り抜けて車内に入ったと言った方が正しいのかもしれない。



そして、車の後部座席から、じっと監視カメラの方を見つめていた。



そして、それは録画された映像のいたるところに残されていた。



常に同じ女ということではなかった。



駐車している車が5台であれば、5人の女が何処からともなく現れて



それぞれの車に乗り込んでいく。



叔父は、も思わず自分の目を疑った。



しかし、映像に残っている以上、それは真実なのだろう・・・。



そう思った叔父は、自分の車を昼から夜にかけて、自分のパーキングに



駐車し、夜になるとその車の所へと向かった。



その時は叔父はまだ半信半疑であり、出来る事なら自分が幽霊の正体を



暴いてやる、と意気込んでいたのだという。



そして、車に乗り込んだ叔父はエンジンを掛けて後部座席を見た。



だが、そこには誰もいなかった。



それなら、ということで、叔父は車を発進させ、少し車を走らせてみる



事にした。



そして、走り始めて3分ほど経った頃、後部座席から女の声が聞こえた。



地獄から湧き上がってくるような低く太い女の声だった。



最初は何と喋っているのか分からなかった。



それよりも、恐怖でそれどころではなかったから・・・。



そして、恐怖でバックミラーも見られなかったという。



しかし、何度も同じ言葉を繰り返すのを聞いているうちに、



どうやら、その女は、



死んで・・・・死んで・・・。



と繰り返している事が分かった。



叔父は慌ててブレーキを踏んだが何故かブレーキは利かず、そのまま



勝手に動いたハンドルのせいで、対向車線にはみ出して対向車と



衝突してしまった。



叔父に大した怪我はなかったが、最後に車内には、その女の声なのだろう。



ゲラゲラゲラゲラ・・・・・。



という不気味な笑い声が響いていたという。



その後、叔父は色んなお寺や神社に頼んで御祓いをしてもらったそうだが、



そのパーキングに現れる女がいなくなることはなかった。



そして、今現在も、そのパーキングは駅の近くで閉鎖されたまま



残されているそうだ。


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:46│Comments(0)
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