2019年06月09日

霊安室

これは病院勤めをしている姪から聞いた話である。



病院という場所には、その殆どに霊安室という部屋が設けられている。



そして、彼女が勤務する病院では、真白な壁の部屋の中に真白な



ベッドが置かれているのだという。



霊安室といえば、よくドラマなどにも登場しているが、基本的に



看護師が、何かをするという事は無く、そこから先は、葬儀会社の



仕事になるのだという。



病院という性質上、1日に一人ではなく複数の患者さんが亡くなられる



場合もある。



そんな時には、霊安室に、複数のベッドが置かれ、そこに複数のご遺体が



並べられる事もあるのだという。



彼女自身は、霊安室という部屋には数回しか入った事はないらしいが、



その時、感じた事は、霊安室という所は、部屋に入っただけで、かなり



ひんやりした空気を感じるという事らしい。



まるで、真夏の昼間に、洞窟にでも入った様な感じ。



彼女はそう言っていた。



そして、霊安室に入れられたご遺体は、以前は看護婦といわれた方達が



綺麗にするお世話をしていた時期もあったらしいが、現在では、その部屋に



ご遺体を運び込むまでが病院側の仕事になるらしい。



そして、そこで、ご遺体は自宅などへ帰還するのを待つ事になる。



そして、ここからは彼女が先輩看護師から聞いた話になる。



ご遺体を霊安室に運ぶ作業の際、ご遺体の口から、うめき声の様なものが



聞こえる事があるのだという。



勿論、それはご遺体の体の中に溜まっていた空気が口から出る際に



うめき声の様に聞こえるのだと医学的には言われている。



しかし、どう聞いても、言葉のようにしか聞こえないうめき声も



実際、あるのだという。



どこだ~



かえせ~



などその言葉の意味は分からないのだが、確かにそれは意志をもって口から



発せられた言葉にしか聞こえないらしい。



また、以前は、連絡の為に、霊安室の中に電話が備え付けられていたらしいのだが、



どうやら、その電話から誰かが電話してくるのだという。



勿論、霊安室には、ご遺体以外は誰もいないのだから、誰が掛けてきた



のかは、暗黙の了解として分かっているらしい。



そして、それはナースセンターに掛って来る事が多いのだという。



そして、



みずがほしい・・・・とか



さみしい・・・・とか、



いえにかえしてくれ・・・・・という言葉を伝えるとあっさりと



切れてしまう。



勿論、電話をかけるには内線番号を押さなければいけないのだが・・・。



そして、そんな事が続いたために、電話は霊安室の中ではなく、外に



設置されるようになった。



しかし、それでも相変わらず、内線電話が掛って来る事が後を絶たない。



しかたなく、今では、電話線を切ってしまっているらしいのだが、それでも



しっかりと電話はかかってくるらしい。



そして、中には、線の切れた電話から誰かが電話をかけているのを見た、



という看護師もいるらしい。



いったい、それほどまでに、何を伝えたがっているのだろうか・・・・。



そして、これも不思議な話なのたが、看護師さんが霊安室の前の



廊下を歩いていると、霊安室の中から誰かが看護師を呼びとめる。



そして、中を覗くが、そこにはご遺体が横たわっているだけ。



それで、不思議そうに部屋を出ると、今度はドンドンと中から



ドアを叩く音が聞こえ、その看護師はその場から思わず逃げ出して



しまったらしい。



そして、霊安室に、家族や葬儀社が迎えに来るまでしばらく時間がかかる



事があるらしい。



そんな時は、霊安室に備えた花の水を替えに来たり、するらしいのだが、



その時は、常に二人で作業に当たるらしい。



それは、以前、1人で作業をしていて、間違いなく誰かが看護師さんの後ろに



立っているという感覚がヒシヒシと伝わって来たからなのだという。



それでも、我慢してそのまま自然に作業を続けていれば良いのだが、



以前、一人の看護師が思わず振り返ってしまったらしい。



すると、そこには、ご遺体がぼうっした目で、看護師さんの後ろに



立っていた事があったらしい。



また、中には、あまりに戻ってくるのが遅いという事で、他の看護師が



霊暗室まで見に行くと、そこには、ご遺体の横に寄り添うように、



同じベッドに寝ている看護師の姿があったという。



また、彼女の勤務する病院は、かなり有名な心霊スポットのすぐ近く



に位置している。



また、病院のすぐ近くの水路に、殺された女性が埋められていた、という



事件も近年発生している。



そのせいなのかは、分からないが、夜、霊安室の前を通ると、



誰かと話している声が聞こえたり、廊下を誰かがうろうろと彷徨っている



姿が目撃されたりしている。



だから、霊安室の前の廊下は24時間、明るい照明が点いている。



しかし、夜にその場所に行くと、誰も消していない筈なのに、明かりは



消え、漆黒の闇が広がっているそうだ。



そして、その辺りは何度点けてもすぐに消されてしまうのだという。



そして、その暗闇の中には、間違いなく誰かが立っている姿が



ぼんやりと見える。



だから、医者も看護師たちも決して夜には、その場所に近づく事だけは



しない。



霊暗室。



もしかしたら、この世とあの世が一番近くに存在している場所



なのかもしれない。


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:54│Comments(0)
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