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2019年06月09日

トンネルの奥には・・・・。

これは俺の友人が体験した話。



その日、彼は友人2人と、とあるトンネルを訪れていた。



目的は勿論、トンネルの探索。



噂ではそのトンネルは奥で行き止まりになっており、そこには幽霊がでるという。



そして、そこで幽霊を見た時だけ、トンネルの奥に横へ続く道が現れる



のだという。



だから、その噂を聞いてからというもの、どうしても自分で確かめなくては



気が済まなくなっていた。



そして、彼にはそういう噂に目が無いという変わった友人が2人いた。



だから、彼らがその日、そのトンネルを訪れたのも必然だったのかもしれない。



トンネルには車でやってきた。



しかし、どうやらトンネルは車で通過するほどの幅は無かった。



だから、彼らは車をトンネルの入り口に停めると、徒歩でトンネル内に



入っていった。



行き止まりになっているトンネルだから当然、利用する者などいる筈もなく、



トンネル内は完全に漆黒の闇。



それでも、彼らが持ってきた業務用のライトはトンネル内を明るく照らしてくれた。



トンネルの中は、狭く、そして湿気に満ちており、そして、どこまでも続く



かのように奥深かった。



途中、彼らと同じように、そのトンネルを探索にきたであろう者が忘れて



いったと思えるタバコや使い捨てカメラを見つけて何故かホッとしたという。



自分達の他にも、此処に探索に来た者がいる・・・。



それだけでも、かなり心強かった。



それほど、心細いトンネルだったということなのだが。



トンネルは、人が4人も並ぶと道幅を塞いでしまうほど狭く、そして剥き出しの



岩肌のトンネル内はいたるところに水溜まりが出来ており、そしてそれは天井からの



雨水が溜まったものである事を証明する様に、ずっと水滴が天井から滴り



落ちていた。



彼は友人達の先頭を切ってトンネル内を進んでいた。



それは彼が一番強力なライトを持っていた事もあるのだが、やはり、その中で



一番肝が据わっていたのがきっと彼だったのだろう。



彼は前方を見ながらも後方から追居てきている友人2人に話しかけながら



トンネル内を進んでいた。



もう既にトンネルに入ってから5分ほどは歩いているのにも拘わらず、まだ



トンネルの奥には到達出来てはいなかった。



それしても、深いトンネルだよな・・・。



こんなに深いトンネルなのに、車が通れないなんて、いったい何の為に



このトンネルは作られたんだろうな・・・・。



そんな事を話しながら進んでいると、突然、背後から友人達の返答が無くなった。



あれ?



彼は異変に気づき、もう一度、後方に声をかける。



しかし、やはり何の反応も無かった。



まさか・・・・。



そう思った彼は思わず後ろを振り返ろうとした。



すると、突然、友人達の声が聞こえた。



ごめん・・・・考え事をしてた・・・。



そんな声が返ってきた。



だから、彼はそのままトンネルの奥だけを見て進み続けた。



しかし、そうやってトンネルの中を進んでいると彼は不可思議な事に気付いた。



それは、後方からは友人達らしき声が勝聞こえるものの、彼らの足音というものは



全く聞こえてこなかったのだ。



それに、先ほどの友人の声は、限りなく似てはいたが、どこか友人の声とは



異質なものに感じられてきた。



だから、彼は突然、前へ進むのを止めてその場に停止した。



突然、止まったにも拘わらず、トンネル内には友人の足音など全く聞こえず



完全な無音状態になり、トンネル内はシーンと静まり返っていた。



そして、友人達の声がまた聞こえた。



それにしても、このトンネルは何処まで続くのかねぇ・・・。



それはもう友人の声ではなかった。



彼は一気にその場からダッシュすると、少し離れた場所で一瞬、後方を



振り返った。



そこには友人達の姿は無く、その代りに白いモヤの様な塊が空中に浮いていた。



それを見た彼は、思わず”うわぁ~”と叫びながら更にスピードを上げて



走った。



持っているライトが大きく揺れて岩肌がまるで人の顔のように見えた。



彼は必死で逃げた。



そして、先ほどの白いモヤが追ってこないように、と願った。



しかし、それはすぐに絶望へと変わった。



彼の後方からはまるで友人達の声色を真似た様な声で、



どうしたんだよ~



待ってくれよ~



と声が近づいて来ていた。



その時、彼の前方にはそのトンネルの最奥部である行き止まりの壁が



姿を現した。



彼は必死に、そこに在る筈の横道を探した。



そして、それは案外簡単に見つかった。



彼は、必死にその横道に入ると、何故か平坦になっているその道をひた走った。



彼は必死に噂話を思い出していたが、焦っているのか、なかなか詳細が



思い出せなかった。



横道に入ってから、どうすれば助かるのか・・・。



その最も大切な部分がどうしても思い出せない。



だから、彼はとにかく全力でその道を走るしかなかった。



道は平坦ではあったが、右に左に、と忙しく曲がっていた。



すると、突然、何かが背後から近づいてくる様な足音が聞こえてくる。



彼は顔面蒼白になりながらも、渾身の力で走り続けたという。



そして、大きく左に曲がり、そして突然、視界が開けたと思った時、突然、



止まれ!



という大きな声が聞こえたという。



彼は、その時、思い出した。



そう、横道に入ってから、止まれという声が聞こえた時、すぐに止まらなければ



いけないのだという事を・・・。



だから、彼は背後から近づく足音にも拘わらず、その場に急停止した。



そして、足元をライトで照らすと、其処には何処までも続いている様な



深く暗い穴が大きな口を開けていた。



助かった・・・・。



彼はそう思ったという。



その時、突然、彼の耳ともとで、



本当に止まるなよ・・・。



面白くねえな・・・・。



という声が聞こえたという。



そして、その声が聞こえた途端に彼は半ば強制的に意識を失った。



奈落の底に突き落とされたような感覚だったという。



そして、次に彼が目覚めた時、彼は友人達と一緒に車の中で眠っていたのだという。



もしかして、夢だったのか・・・。



そう思ったが、彼らの靴はトンネル内の水溜まりでびっしょりと濡れていた。



そして、友人達もトンネルの中に入って歩いていた時、突然、意識を失ったのだと



説明してくれた。



そのトンネルは今でも白山市の山中に存在している。


Posted by 細田塗料株式会社 at 18:59│Comments(0)
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