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2019年06月09日

子供にしか視えないモノ

これは行きつけのスナックの女性スタッフから聞いた話。



彼女が小学校4年生の時、クラスの男の子が交通事故で亡くなった。



特に目立つ生徒でもなかったらしいが、どうやらそのクラスの全員が



皆、分け隔てなく仲良くしていたそうだ。



その事故の事は新聞にも小さく載ったという。



ただ夏休み終了間際の事故だったので、特に保護者間での連絡が行われた訳でもなく



クラスの級友たちは彼女を含めて、その男の子が事故で亡くなった事を



誰も知らずに過ごしていたらしい。



知っていたのは教師とその男の子の家族だけだったという訳である。



実際、不思議な話なのだが、いつものように遊び場に行くと、いつものように



その男の子もその場所に遊びに来ていた。



勿論、その男の子が死んだという事実も知らなかったし、居間にして思えば



少し元気が無いように感じたが、それでも、本当にいつもと変わらない楽しい



時間を其処に集まった仲間達は過ごした。



野球をしたりかくれんぼをしたり、と。



勿論、亡くなった男の子も初めは元気が無いように感じはしたが、すぐに



元気を取り戻して他の友達以上に楽しそうに走り回っていたという。



いつものようにいつもの場所に集まって、楽しい時間を過ごし、その場で



お別れする。



ただ、今にして思えば、その男の子は友達がどんどん家に帰っていくのにも



拘わらず、ずっとその場所に立ったまま帰っていく友人達に笑顔で手を振っていた。



まるで、帰る家が無いかのように・・・・・。



そんな日が何日も続いたという。



そして、夏休みが終わり2学期が始まると、担任教師から意外な報告があった。



それは夏休みの間に、クラスの仲間である男の子が事故で亡くなった、という



知らせだった。



しかし、クラスメイトの誰も、その教師の言う事を半ば笑って聞いていた。



きっと担任教師のいたずらなのだと思っていたという。



何故なら、その男の事は夏休みの間、ずっと一緒に遊んでいたし、



なによりも、その男の子は夏休み明けのこの教室にちゃんとやって来て、いつものように



自分の机に座って今、先生が話した知らせを顔色一つ変えずに聞いていたのだから。



だから、先生にしてはなかなか手の込んだ悪戯だと思ったという。



しかし、良く見るとその男の子が座っている机の上には白い花が生けられた



花瓶が置かれていたのが気になったという。



そして、全体朝礼の際に校長先生から、その男の子が事故で死亡した事実。



それから、その男の子はひき逃げに遭い現在も犯人が捕まっていないのだという



事実。



そして、此処にいる生徒は今後、より一層事故には気を付けるようにというお話があり、



さすがの彼女達も、その男の子が本当に死んだのかも?と思い始めたそうだ。



しかし、初めて見る幽霊だというのに全く恐怖は感じなかったという。



それどころか、その男の子は何も喋る事はなかったが、教室で座っている事が



嬉しくてしょうがない、といった様子でニコニコと笑っていた。



だからなのかもしれない・・・・。



彼女達は思い切った行動に出てしまう。



先生がいない休み時間に、彼女達はその男の子に近寄ってこう尋ねたという。



あのさ・・・・○○君って本当に死んじゃったの?



もしも、そうだとしたら、どうして此処に座ってるの?と。



その言葉を聞いた時、それまでニコニコと笑っていた男の子は急に



何かを思い出したような顔をして暗い顔になって俯いてしまった。



そして、何も言えずただ俯いて震えている男の子を見て、その場に居た



全員は男の子の死が事実なのだと悟ったという。



そして、誰ともなく、男の子にこんな言葉をかけた。



生きてても死んでいても関係無いよ!



これからもずっと友達だから!と。



すると、男の子は顔をあげてまるでお辞儀でもするかのように周りの友人達



を見ながら笑ってくれたという。



それからはクラスの全員がそれまで通りに男の子と接した。



どうやら担任などの大人には男の子の姿は見えていなかったらしいが、



そんな事はどうでも良かったという。



そして、学校が終わると彼女達クラスの全員が一斉に帰るようになった。



帰り際、1人教室に残って窓から彼女達を寂しそうに見送る姿を見ると



心が痛んだが、それでもどうやら彼女達にはやるべき事があったのだという。



それは、その男の子は事故で死んだ訳だが未だにその犯人は見つかって



おらず、彼女達はどうしても自分達の力でその犯人を見つけ出したかった



のだという。



下校時に男の子が事故死した場所の近辺にクラスの全員が散らばって刑事



さながらの聞き込みをしたり、目撃者探しのビラを自作して配ったりもした。



来る日も来る日も夕方暗くなるまで、それは続けられた。



そして、その事が学校にも知られてしまい、学校からは注意と禁止を言い渡されたが



彼女達クラスの仲間は決してそれを止めなかったという。



やがて子供たちの行動はいつしか両親までも巻き込み、そうなると学校側も簡単に



それを止める事が出来なくなった。



そして、その行動はどんどんと大きくなっていき、やがて学校側も全面的に



協力してくれるようになった。



無駄なこと・・・・。



そう言ってしまうのは簡単だが、何もしなければ奇跡は起こらなかったのかもしれない。



そして、何と男の子が事故死してから14日目。



ひき逃げ犯は警察に出頭したという。



偶然、近くを通りかかった犯人は、街ぐるみの犯人探しを見て、もう逃げ切れないと



覚悟して、警察に自首してきたのだと聞かされたそうだ。



そして、翌日、彼女達は早く学校に行って男の子に犯人が捕まった事を報告



してあげようと急いで登校した。



しかし、いつも男の子が座っている席に、その姿はなかったという。



その代わりにクラス全員の机の上には、四葉のクローバーが一つずつ置かれていた。



男の子を探していると先生が来て、クラス朝礼が始まった。



彼女達は男の子の事が気になって朝礼どころではなかったが、そんな彼女達の



目の前に立つ担任教師の隣に男の子の姿がはっきりと見えたという。



そして、嬉しそうに笑った後、彼女たちを見回すようにしながら何度も何度も



お辞儀をした。



そして、笑っている顔からは大粒の涙がこぼれ落ちているのも見えたという。



彼女達も気が付くと涙を流していた。



すると、男の子の姿はゆっくりと薄くなっていき最後には完全に視えなくなった。



クラスの全員が男の子に駆け寄ろうとした為、担任教師は驚いて注意したらしいが



それでも彼女達の気持ちを抑える事は出来なかった。



男の子が今しがたまで立っていた場所にすがりつくようにしながらクラス全員は



大声で泣いたそうだ。



結局、その後、男の子の姿を視る事は一切無くなったそうだ。



そして、彼女はこう言っていた。



もしかしたら、あの子は犯人が見つかったら、あっちの世界に行かなければいけなかった



のかもしれませんね・・・・。



だとしたら、もっと時間をかけて犯人を見つけたかったって後悔する事もあります。



でも、犯人が見つかって本当に良かった。



あれは私たちクラス全員の友情の証なんですから・・・・。



あの子も今頃はきっと幸せに過ごせてると良いんだけど・・・・と。



どうやら、そのクラスでは今でもたまに同窓会が開かれており、参加者のリスト



には、しっかりとその男の子の名前が書かれており、そしてその男の子の席も



ひとつだけ空けられているそうだ。



そして、クラス全員はその男の子が残していってくれた四葉のクローバーを



今でも大切に保管している。



その男の子を忘れないために・・・・・。


Posted by 細田塗料株式会社 at 19:06│Comments(0)
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