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2019年07月12日

助けてください・・・・。

これは知人男性から聞いた話。

彼は会計士として小さいながらも会計事務所を経営していた。

年度末という事もあり、仕事がかなり忙しく数日間は家に帰れない日が

続いていた。

そして、その夜も残業に従事していたが、どうやら一段落つく事が出来たようで

家に帰ってぐっすり眠ろうと思い立った。

そうと決まれば彼の行動は早く、一緒に残業していた社員達を帰宅する様に促し

彼自身も車に乗ってさっさと帰路に就いたという。

時刻は既に午前1時を回っていた。

自宅までは車で30分ほどの距離だったので、彼はコンビニに寄り眠気覚ましの

缶コーヒーとおにぎりを買い、それを運転しながら食べつつ家路を急いでいた。

すると、突然、お腹が痛くなった。

とても家まで我慢できる状態ではなかったという。

彼は仕方なく公園に車を停めると、急いで敷地内に在るトイレへと駆け込んだ。

誰もいない公園はそれなりに不気味ではあったが、まだ新しい公園のせいか、

随所に照明も設置されており、トイレ内も明るく綺麗だったから、彼は

そのままトイレで用を足す事が出来たという。

お腹もすっきりした彼は車に戻ろうとトイレの個室から出た。

そして、手洗い場に行こうとすると彼は思わずぎょっとしてしまった。

手洗い場に女が1人、無言で手を洗っていた。

どうして男性用のトイレで手なんか洗うんだよ・・・・。

そう思って彼はしばらくその様子を見守っていた。

しかし、その女はいっこうに動く気配が無かった。

彼は仕方なくそのまま車に戻ろうと女の後ろを通り過ぎようとした。

その時、彼の耳には、

助けてください・・・・・。

と聞こえた。

え?

と思い、思わず立ち止まった彼は鏡越しにその女を見た。

笑っていた。

ニタリとした気味の悪い顔で鏡越しに彼を見ながらその女は手を洗い続けている。

時刻は既に午前1時半を回っていた。

そんな時刻に、手を洗いながら笑う女。

それだけで、彼にとっては十分過ぎる恐怖だった。

彼は固まり動けなくなっていた。

すると、その女が、また

助けてください・・・・。

そう言った。

確かに不気味なシチュエーションではあったが、もしかしたら本当に何か

困りごとがあるのかもしれない、と思った彼は勇気を出して、

何かお困りなんですか・・・・・・?

と呟いた。

その女の目が大きく開き、何もしていないのに水道の水が止まった。

彼はその一部始終を目撃した。

そして、その女の口がより大きく開き、更に気持ちの悪い笑みを浮かべる。

これは人間じゃない・・・・。

その時、彼はそう確信した。

そして、それと同時にそれまで固まって動けなかったのが嘘のように、反射的に

その場から駈け出していた。

生きた心地がしなかった。

後ろを振り返る余裕も無かった。

それでも何とか車まで戻った彼は、一気に車に飛び乗ると、キーを回して

エンジンをかけた。

そこで、彼は初めて先ほどのトイレの方を確認する。

しかし、もう其処にはその女の姿は無かった。

もしかして、車の側に隠れているのかとも思い何度も確認したが、やはり

何処にもその女の姿は無い。

彼はホッと胸をなでおろしてその場から車を発進させた。

その時、彼はとにかく家に帰りたかったという。

家に帰り、家族の寝顔を見れば、安心できる・・・・。

そう考えて。

だからなのかもしれない。

彼は車が他に1台も走っていない事で気が急いていたのかもしれない。

いつもよりもスピードを出して走っていた彼の車は真っ直ぐな道で突然

ハンドルを取られてそのまま電柱に激突した。

自分の意志とは違う方向に突然車が向きを変え、ブレーキを踏む間もなく、

ノーブレーキで電柱に突っ込んだ。

フロントのボンネットが電柱を飲み込んでいくように壊れていき、その直後、

彼の体を激痛が襲った。

骨の折れる嫌な音もはっきり聞こえた。

そして、車は運転席をえぐるように大破し、歩道に乗り上げて停止した。

助けを呼ばなくては・・・・。

そう思いながら、どんどん意識が遠くなっていく彼の眼に、何かが映った。

それは、紛れも無く先ほどトイレで見た女だった。

割れたフロントガラスから身を乗り出す様にして彼を見るその眼は、とても

満足そうに笑っていた。

彼は痛みと恐怖の中で意識を失ってしまう。

そして、彼が次に目を覚ましたのは病院の集中治療室だった。

彼が意識を取り戻した事に周りの看護師や医師が驚いたかのように、どんどんと

集まって来た。

それほど酷い状態だったのだと初めて分かったという。

それから彼は1年以上の入院生活を送り、退院した現在でもリハビリを繰り返す

日々を送っている。

それでも、どうしても彼は自分がもう歩く事は不可能なのだと感じているらしい。

そして、彼が事故を起こした現場には花がたむけられている。

それは、彼に対するものではなく、そこで以前事故で亡くなった女性への

花束なのだと聞いた。

そして、その場所では酷い事故が多発しており、どうやら最初の女性の死亡事故

があってから、既に3人が同じ場所で事故死しているのだと。

其処は、死亡事故が多発する場所であり、事故で亡くなった女性の霊が

頻繁に目撃されている曰くつきの場所なのだ、と。

だから、俺は死ななかっただけでも儲けものなのかもしれない・・・・。

そして、きっとあの女は、真夜中の通りを彷徨いながら、自分と同じように

死んでくれる仲間を探しているんだろうな・・・。

ただ、あの時、その女が言っていた、”助けて”という言葉の意味はいまだに

見当もつかないんだ・・・。

そう彼は震えながら語ってくれた。


Posted by 細田塗料株式会社 at 22:47│Comments(0)
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