2013年06月23日

(改)キャンプ場の怪。

金沢市南部にとあるキャンプ場があった。

あった、と書いたのは、今もその場所自体は存在しているが、今では理由

は不明であるが、金沢市の管理のもと、キャンプ禁止に

なっているからである。

別に心霊スポットとして有名な訳ではないが、実は以前、とても怖い体験

をした事がある。

そこは、夏のキャンプシーズン以外は、人が来ることも無く、その為か、

アベックの車が集まってくる。

自分も免許取立ての頃、親父の車を借りて、彼女とそこに行った。

今も有るかどうかは、分らないが、当時は、錆びて朽ちた廃棄されたバス

などが捨てられている空き地があり、そのすぐ近くに車を停めた。

で、車から降りて、二人でかすかに見える夜景を見ながら、

いろんな話をしていた。

そんな時、ふと、気付いた。

どこからか、チョロチョロと小川が流れているような音が聞こえる。

こんな所に小川があるのかな?

などと話しながら、そのまま、夜景を見ていた。

すると、不思議な事に彼女が気がついた。

水が流れる音、さっきより大きくなってない?

確かに、チョロチョロとした音から、結構な水量が流れているような

ジャーという音に変化していた。

そして、その音を、注意して聞いていると、その音がどんどん大きくなって

いる事に気付いた。

いや、正確に言うと、その音がどんどん近づいているのだ。

何か、気持ち悪くなってきたので、車の中に戻って話すことにする。

車のエンジンは切っていたので、静寂の中、車内からもはっきり

聞こえる位、水の音が大きくなった。

勿論、窓は締め切っていた。

何か変だよね、と言いながら、少し怖くなり、車のドアをロックする。

すると、そのうちに、締め切った車の中に居てもうるさく感じるくらい、

水の音が大きくなった。

そう、まるで滝のように。

そうしていると、次第に霧が立ち込め、濃い霧が車をあっという間に

車を包み込んでしまった。

本当に不思議な話だが、本の1分程の間に霧が広がり、

視界はたぶん1メートルも無かったと思う。

その時である。

ユサッ。

車が急に揺れた。

風で揺れたような自然な揺れ方ではなかった。

そう、明らかに誰かが後ろから車を揺すっているに違いなかった。

それにしても、こんな場所で、こんな夜更けに?

何か嫌な予感を感じた俺は、

とっさに車のエンジンキーを廻す。

だが、不思議なことにセルすら回らず、当然エンジンはかからない。

何度キーをまわしても結果は同じだった。

半べそ状態の彼女に、

大丈夫だからね。

と言っている俺。

しかし、心の中では、本気で

やばい!

と感じていた。

そうしているうちに、車の揺れはどんどん大きくなっていく。

もう普通に会話するのも難しいくらいに。

それは、到底、1人の力では絶対に無理な揺らし方だった。

というよりも、相当の人数の力でないと、ここまで車を揺さぶる事は

不可能だった。

後ろや横、とにかく回りは絶対に見ないで、じっと俯いているように

彼女に告げた。

何故なら、ルームミラーに一瞬、あるものが写ったのを俺は

見てしまったから・・・・。

それは、間違いなく、人だった。

いや、人の形はしているが、人ではないのかもしれない。

そして、絶対にこの世のモノではないと、確信できる何かを感じた。

そうしているうちに、今度は車のボディやら窓を叩く音がしだした。

そして、それに混じって聞こえる言葉ともうめき声ともとれる低い声。

ハァハァと苦しそうな声。

そして、まるで、お経の様な聞き取れない位の小さく低い声。

何が起こってる?

俺は半ばパニックになりながら彼女を見ると、耳を塞ぎながら、

下を向いて、一心不乱にお経のようなものを唱えている。

どうする?

何か、出来ることはないか?

自分に問いかける。

すると、ある事を思い出した。

そうか。ここは緩い下り坂になっているから、エンジンがかからなくても、

ギアをニュートラルにして、サイドブレーキを解除すれば、もしかしたら、

いや、間違いなく、車は坂の下に向かって進むんじゃないか?

そう思って、サイドブレーキを解除した。

思いは的中した。

そのまま、ゆっくりと坂道を車は進み出した。

濃い霧で、視界がゼロの状態ではあったが、なんとか手探りするように

車を進ませた。

そして、暫くすると、霧が視界から消えた。

エンジンをかける。

一発で始動した。

そのまま、後ろも振り返らずに、一目散にその場から逃げた事は

いうまでもない。

そして、町に戻り、給油する為に入ったガソリンスタンドで、

こんな事を言われた。

”なんか、泥の付いた手形が一杯付いてますけど、洗車しときますか?”

あの場所には、それ以来、近づいていない。


Posted by 細田塗料株式会社 at 23:41│Comments(3)
この記事へのコメント
営業のKさん

未来の記事も、水音が近付く怪異現象がありますが(汗・・・本当に不思議ですね・・・それは何を認識させようとする行為?なのか。

また、車を揺さぶる・・・その具合は悪戯じゃ済みませんよね・・・加減をしろよと(泣
ご両人、ご無事で何よりです。
Posted by 中西 at 2017年04月05日 18:18
ここ何日か読み続けてますw
ここまで来たら出版じゃないですか?お誘いあったりするかもですね。
ところで、車に対して揺さぶったり爪を立てたり、
車は本当に傷ついてしまうのですか?
そうであれば、相当キレてしまいますね。
これは体験した事がない人の平和な考えなんでしょうか。
Posted by ひで at 2017年05月15日 10:11
車にビッシリ手形…とか車の速さと同じに窓の外に老婆…とか海で溺死した人を引き上げたら老婆がしがみついてた…とか、私が小学生の頃からあった話で、今の子供すらも知ってる都市伝説が、
私は都市伝説だとずっと思ってきたのに、ここを知ってそれは現実にあると知ったこのどよめき…

まだ耐性が出来てないから、夜になると思い出しては葛藤する私…
(Kさんは夜より夕方と明方が一番だ書かれてましたが)

それにしても、関西なら夜景の綺麗な六甲山とか行かれた事あるはずです。
私は何もないですが、Kさんはあったかもですね。ふつー山には祠とかあるのに六甲山は珍しく祠がない山と聞かされた事があります。
なんか理由があるんでしょーね。
Posted by メチャ✩ at 2017年07月04日 12:27
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