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2016年01月03日

道路に立つ女(怖い話)

サインディスプレイ部  営業のKです。

年始休暇も、今日を入れても残り2日のみ。

たいした事もしてない、というか、怖い話書く事しかしてませんね(笑)

まあ、いっか~!

それでは。



以前は、車を改造しては、夜道をひとりで黙々と走っていた。

道路交通法としては、違法なのは理解していたのだが、若さ故の

無知というか、怖いもの知らずの部分が俺を夜な夜な山道へと

駆り出させた。

昔は、CARBOYとかOPTIONという雑誌のステッカーを

前後のウインドウに貼って、同じ様な走り好きな方達と

サーキットよろしく、熱い走りを繰り返していた。

車は、当時は、それなりに速い車として認知されていた、マツダの

ファミリアGTAというメーカーがラリー用に開発した車。

パワーウインドすら付いていなかったが、走りはまずまずで、俺は

その車に、かなりのお金を掛けて改造し、ノーマルである外観からは

想像出来ない位の馬力と足回りに満足していた。

だから、車のレースといえば、WRCというラリー競技が

憧れでもあった。

そんな感じであったから、毎晩、仕事が終わると、

そのまま走りに出掛け、帰りは明け方という事も珍しくなかった。

金沢市内では、U山やUダム、その他にもS公園やS高原、また

県外に遠征に出掛ける事さえあった。

で、今日話すのは、そんな中でも、一番難所として知られていた

金沢市のI山での事。

その頃のI山は、あまりバイクなども走っておらず、ギャラリーも

いないという隠れスポットだった。

ただし、本物のラリードライバーなんかも練習として走りに来る事も

多かったので、そういうプロドライバーの後ろについて走るだけでも

とても良い勉強になったし、中には気軽に話しかけてくれる方もいて、

時間を忘れて話し込んだのを覚えている。

そして、そんなプロドライバーさんがある晩、こんな話をしてくれた。

今走っている場所からもっと上に登っていくと、U温泉に下る道がある。

道は細いけど、腕を磨くには最高の道なんだけど、俺達は絶対に夜にそこを

走らない事にしてる。

理由を知ってるかい?

でるんだよ!

女が!

俺の知り合いも夜中にそいつに出くわして、逃げ切れずに結局崖下に落ちて

入院させられたよ。

凄く腕も良くて速い奴なんだけどね!

だから、まあ強制は出来ないけど、君も夜中にあの道は通らないほうが

良いと思うよ、と。

確かにそんな危ないものが出る道は、使いたくないな、とは思ったのだが、

何より細く曲がりくねっていて腕を磨くには最高の道という言葉には

とても魅かれるものがあった。

それから、何日か経った頃、同じ走り仲間が車が修理中との事で、俺の

車に同乗して、走りに行った事があった。

実は、あの話を聞いてから、すぐに、昼間、例の道を走った事があった。

話を聞いた通り、道は狭いし、何よりぐるぐると面白いように曲がりくねっていた。

そして、練習にはもってこいのヘアピンカーブも数箇所あった。

当然、昼間だし、対向車がいつ来るか分からない状態では、安全運転を

するしかなかったのだが、その時、いつか、機会があれば絶対に夜に

この道を走りに来よう、と心に誓っていた。

だから、その日、同乗者がいるのをチャンスと考え、その友人に

事情を説明すると、なんか面白そうだな、と二つ返事でOKしてくれた。

とはいえ、やはり対向車は怖いので、結局、その道に向かったのは、

完全に通行する者がいないであろう、午前2時を回っていた。

その道のスタート地点に到着すると、少し霧はでているものの、

まずまずのコースコンディション。

一度、軽く下見も兼ねて、その道を控えめに下る。

そして、今度は少しペースアップして、下りて来た道を今度は上る。

俺は、集中していた事もあってか、上りのゴール地点まで、何事もなく

到着する。

そして、Uターンして、今度は下りを全力で駆け下りようとスタートしかけた

時、助手席の友人が言った。

今の上りの時、ヘアピンの所で、女が立っていたのは見てたか?

え?そんなのいたっけ?

この道を走る面白さに、夢中になっていた俺は、

まあ、でも、何もなかったって事は安全って事だろ?

と返した。

今思えば、この時に、ちゃんと止めておけば、あんな怖い思いは

しなかったのだろうが。

何があっても、事故だけは起こすなよ!と友人に念を押された上で

再び、車をスタートさせる。

何故か、少しづつではあるが、霧が濃くなってきていた。

俺は、車の全面に装着してある大型のフォグランプを点灯させると、

霧など無関係なくらい、辺り一面が、黄色く昼間のような明るさになった。

当然、俺のテンションも上がる。

それに、これくらい明るく黄色いライトで前方を照らせば、少なくとも

対向車の危険はかなり軽減されることは、それまでの経験で分かっていた。

俺は、かなりの本気モードで下りの曲がりくねった道にアタックした。

だが、すぐにそれは急ブレーキを余儀なくされた。

例のヘアピンカーブの所に差し掛かった時、真美の真ん中に女が立っていた。

急ブレーキとハンドル操作でなんとか回避出来たのだが・・・。

一瞬、何が起こったのか分からないという表情で、お互いに顔を見合わせた。

が、次の瞬間、助手席の友人が大声で叫ぶ。

窓、運転席の窓!

慌てて、窓の方に顔を向けると、そこには、張り付くようにして運転席を

覗き込む女の顔が。

赤い上下の服、そして異常なくらい伸びた首。

そして、なによりその女の目には、黒い部分が無かった。

うわっと思わず大声を出し、反射的に車をスタートさせる。

俺の頭の中には、早く逃げなくては!という思いしかなかった。

もう限界と思えるほどのスピードで坂道を下る車。

だが、すぐ前方のカーブには、先程の女が立っていた。

おいでおいで、という感じで、ゆっくりと手を前後に振っている。

そして、俺の車がその横を通るタイミングで、車のドアにぶつかって来た。

右カーブなら、助手席側に、左カーブなら、運転席側に。

それは、どんなにスピードを上げても、常に次のカーブに立っていた。

その時、助手席の友人が言った。

このままのペースで走ってるとお前絶対に谷底に落ちるぞ!

話を聞いた人の知り合いも、きっとこんな状況で無理し過ぎて、谷底に

落ちたんじゃねえの?

いつもなら、そんな言葉に耳を貸す俺ではなかったが、逃げても逃げても

常に前方に現れる女に、もう打つ手が無いと自覚していたし、それ以上に

こんなペースで走っていたら、間違いなく谷底に落ちるであろう事は、俺自身、

一番よく分かっていた。

じゃあ、どうする?どうすればいい?

怒鳴るように言った俺に向かって、友人は怒鳴るように答えた。

絶対に安全な速度まで落とすしかないだろ。

まさか、車の中までは入って来れないだろうし。

そう言われて俺は妙に納得した。

そして、すぐにブレーキを踏んで、絶対に安全と思える速度まで

スピードダウンした。

すると、前方には、その女は現れなくなった。

というのも、どうやって付いてきているのか、走っているのか、浮かんでいるのか

は、分からないのだが、その女は、今度は俺の車に並走しだした。

で、運転席の窓をコンコンと叩いたり、ガチャガチャとドアレバーを

引いて来る。

その顔は、怒りに満ちたものだった。

その後も、車のボンネットに乗ったり、屋根に乗ったり、とやりたい放題。

だが、安全な速度まで落としたお陰で、怖くはあったが、なんとか対応

出来た。

そして、丁度、ふもとの平地まで下りてくる寸前、その女は、急に車の前に

現れた。

無意識にブレーキを踏んだが、なんとか、無事、下まで下りて来る事が出来た。

もしかして、俺、今、幽霊を轢いたのか?

そう言いながらも、ホッと二人の肩から力が抜けていくのが分かった。

助手席の友人も

俺達、助かったのか?

と安堵の表情を浮かべていた。

そして、車を再び発進させて、この場から離れようとしたその時、

後部座席から声が聞こえた。

死ねば良かったのに。

その声に、俺達は後ろを振返る。

すると、そこには、あの女がニターつと嫌な笑いを浮かべていた。

とっさに、車から、転がるように外へ出る俺達。

そこには、虫の音だけが聞こえる静寂の世界が広がっていた。

その後、車の後部座席を恐る恐る見ると、その女は、もう居なかった。

その後、無事、帰宅出来た俺達だったが、その後、二人そろって、

40度近い高熱で寝込む事になった。

その怖い峠道は、実在する。





Posted by 細田塗料株式会社 at 09:41│Comments(1)
この記事へのコメント
営業のKさん

マツダファミリアGTーA・・・なかなかお目かかりませんね。
皆、走り倒して壊しちゃったか、私の自宅の立体ガレージ(記憶とも呼ぶ)の様に、大切に保管されているのでしょうね(笑

コーナー毎に対人対人対人事故だと、警察も保険会社もたまったもんじゃ〜ありません!

峠道だけに、ツッコミからの滑りは必須卯です・・・お後が宜しくないようで(泣
Posted by 中西 at 2017年05月20日 20:50
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