2016年01月04日

入院中に起きた恐怖

サインディスプレイ部  営業のKです。

当社は、明日、1月5日より通常営業となりますので、

ご愛顧の程、宜しくお願い致します。

さあ、明日からまた忙しいので今日のうちに

怖い話、思い出して書き溜めておかなくては!

それでは、スタートです。


昔、そこそこの長い期間、病院に入院した事があった。

確か、小学生の高学年だったと思う。

入院の理由は、ふざけていて、家の窓ガラスで左足のアキレス腱を

断裂させてしまった為であった。

余談だが、アキレス腱が切れる時というのは、本当にゴムが断裂するような

音がしたのが、印象深かった。

そして、その時、人生初めての外科手術というものを受ける事になる。

そこで、発見したこと。

俺は、麻酔がなかなか効かない体質みたいである。

その頃は、麻酔は手術室に入る少し前に腕から注射器で行われた。

普通は、これで眠るらしい。

だが、全く眠たくもならず、1本、更に1本と注射が追加されていき、

それでも眠らない、妙に冷静な自分とは対照的に、周りの医師や看護婦

ら大人の困惑し焦った顔が妙に記憶に残っている。

それでも、丁度、6本目の麻酔注射をうったところで、深い眠りに落ちた。

手術は無事成功したのだが、どうやら、とてつもなく長い間目を覚まさず、

目が覚めた時には、母親が泣きながら喜んでいたのを記憶している。

どうやら、手術が終わってから、一日半もの間、ずっと眠っていたらしい。

目が覚めた時、人の顔が、万華鏡の様に幾つにも重なって見えた。

そして、この長い眠りが、自分に、一時的に特殊な目を与えてしまった

ようであった。

最初に、それに気づいたのは、病院の屋上で遊んでいた時。

今と違い、当時、病院の屋上は患者達の憩いの場として、機能していた。

エレベータも屋上まで続いており、アキレス腱の手術で歩けない俺でも

簡単に屋上で、外の空気を満喫する事が出来た。

その場所へ行くと、看護婦さんに車椅子で連れてきてもらっている患者さんや、

患者同士が楽しそうに語り合ったり、更に子供たちが簡単なボール遊びさえ

行われていた。

俺も、入院してから仲良くなった友達と屋上で、くだらない遊びで大いに

盛り上がった。

ただ、時折、ん?と思えるような不思議な光景も目にした。

屋上には、それなりの高さのフェンスが当然のように設置されているのだが、

その外を歩いている男の人がいた。

また、そのフェンスを乗り越えて、外へジャンプしている女の人も、よく見かけた。

だから、俺は、看護婦さんに、聞いたことがある。

今度、屋上のフェンスの向こう側で、遊んでみたいんだけど良い?

看護婦さんは、不思議な顔をしつつ、

あのね。フェンスの外には出られないのよ。

落ちたら危ないでしょ?

そう言う看護婦さんに、俺は、言い返した。

だって、いつもフェンスの向こう側へジャンプして遊んでいるお姉さんも

いるし、フェンスの外をぐるぐる歩き回ってるおじさんもいるじゃない?

子供は駄目なの?

そう言う俺に、看護婦さんは、困惑した顔をしながら、

見えちゃう子なんだ?

そう言って、そそくさと部屋を出て行った。

また、俺は、我侭を言って、贅沢にも、一人部屋を利用していたのだが、

ある事があってから、6人部屋に移らせてもらった。

その頃の一人部屋は、まあ子供部屋という事もあったのだろうが、色々と

ルールが甘かった。

だから、通常の消灯時間が過ぎても、結構時間は自由に使えたので、

俺はいつも、お気に入りの本を読みながらラジオを聴いていた。

すると、ある日、一人の男の子が、夜中に突然部屋を訪れた。

当然、消灯時間をとっくに過ぎており、それでも、俺はその男の子に

話しかけた。

消灯時間過ぎてるのに、出歩いてると、看護婦さんに怒られるよ、と。

そして、その男の子は、こう返してきた。

お父さんもお母さんも、ずっとお見舞いに来てくれなくて、凄く寂しい。

だから、少しの間、お話していたいんだ、と。

確かに退屈していた俺は、それなら、色々とお話しようよ!ということで

それから、随分長い間、その子と話し込んだ。

お互いの身の上とか、好きな漫画の話とか。

それでも、その男の子は、入院している病名の話になると、堅く口をつぐんだ。

でも、今、入院している部屋番号とか、気軽に教えてくれた。

そして、その子は、それから毎晩、俺の病室を訪れるようになった。

そして、ある日、病院を探索という名目で、その子の教えてくれた

番号の部屋を探してみた。

だか、その部屋は、どこにも見つからない。

そこで、いつもの担当の看護婦さんに尋ねてみた。

あのね。仲良くなった子が入院している筈の、344号室が見つからないんだけど、

看護婦さん、教えてくれない?

すると、看護婦さんは、作業の手を止めて、怖い顔で教えてくれた。

あのね。

病院って、病気や怪我で入院してくる人が沢山いるでしょ。

だから、縁起が悪い4という数字の病室って、作らないんだよ。

4という数字は、日本語でし(死)と読めるでしょ。だから。

そう言われて、改めて、もう一度、病室を探してみた。

確かに看護婦さんに言われたように、4という数字が使われている部屋は

存在していなかった。

その夜、また、例の男の子が、俺の部屋を訪ねてきた。

俺は、嘘を教えられた事で、少し憤慨しており、嫌味のようにして、

その子に言った。

あのさ。看護婦さんに聞いたんだけど、病室って、4という数字は、

病室には使わないんだってさ。

だから、教えてくれた344号室も、嘘なんだよね。

一生懸命探したのに。

なんで、嘘なんてつくの?

そういう俺に、その子は、寂しそうに、ごめんという言葉と、嫌いにならないで、

という言葉を繰り返すだけだった。

それでも、無言でいる俺に、その子は、それじゃ、今から、344号室に

連れて行ってあげる、と言うと、

俺の手をグイっと掴んできた。

子供の力とは到底思えないような力だった。

俺は、必死にナースコールを押して、駆けつけた看護婦さんによって、

事なきを得た。

が、誰も、その男の子の姿は、見た者はいなかった。

その事を親に話すと、母親が数日の間、病室に停まり込んでくれる事になった。

それでも、その男の子は、毎晩のように、俺の病室を訪れ、じっと

悲しそうな目で俺を見つめ続けた。

そして、何日か経つと、さすがに母親も仕事があるので、ずっと泊り込みは

出来ないとの理由から、6人部屋へ移動させて貰った。

その6人部屋では、今度は、毎晩のように、一人の老婆が、ある男の子の

上に跨って、何かを一晩中呟いていた。

そのせいか、例の男の子は、病室には入れず、ずっと病室のガラス戸の向こうに

立っているのが見えた。

正直、病院とは、なんとも恐ろしい所だと実感した。

その後、老婆にずっと跨られていた男の子は、どんどん衰弱していき、結局は

容態が急変して、亡くなってしまった。

俺は、親や看護婦さんに、頼み込んで、退院を早めてもらった。

何故なら、その老婆は、今度は隣のベッドの男の子の上に、夜な夜な跨るように

なっていたから。

あのまま、あの病院に入院していたら、どうなっていたのか?

その病院は、今も金沢市に実在している。







Posted by 細田塗料株式会社 at 09:38│Comments(3)
この記事へのコメント
改めファン子です。

明けましておめでとうございます。
新年早々ブログにお邪魔してみたら
なんと、、いっぱいupされてて。。。
早速全部拝見させて頂きました。
お休みの間色んな怖いブログを観てたのですが
Kさんのお話、何故か引かれるものが有り
どっぷりハマっています。
今年も無理(無茶)せず長く続けて下さいね。
それから・・・
Kさんにとって今年も良い年になりますように♪
これからも頑張って下さい(≧∇≦*)
Posted by ファンです。 at 2016年01月04日 17:26
ファン子様、こんばんは。
いつも、お読み頂きまして本当にありがとうございます。コメントに勇気付けられて、ブログ再開させて頂きました。色々なサイトの怖い話を読みまくられているみたいで、なかなかの強者ですね(笑)今後も細々と続けていきますので、拙い文章と内容ではございますが、宜しくお願い致します。
Posted by 細田塗料K at 2016年01月04日 18:39
営業のKさん

今日も暑い福岡、嫌でも熱男です。

私はバイク事故で1ヶ月半ぐらい入院しましたが、たかだか10日程度寝たきりになるだけで、立ち上がる時に足に力が入らない・・・そんな事を思い出しました。
尿管が外れ、車椅子で移動出来る様になってからは、夜な夜なトイレで歩くための自主トレをしましたよ(笑

退院間近になった時、同じくバイク事故で骨折、そして運送業で腰痛持ちの同部屋3人で病院を抜け出し、たこ焼を肴に自販機のビールで乾杯しましたよ。
500缶で皆酔っ払い親父・・・深夜に見回りに来た看護師さんは、アルコール臭い病室にさぞかしビックリした事でしょう・・・見逃してくれましたけど(汗

そんなこんなで怪異な入院経験はありませんが、生きてて良かったと思います。
くれぐれもご自愛下さい。
Posted by 中西 at 2017年05月22日 18:55
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