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2016年01月04日

母と娘の愛情。怖くない心霊話

サインディスプレイ部  営業のKです。

という訳で、書き溜めていたら、良い話を思い出しましたので、

本日2話目を投下します。

それでは。


これは、以前、再婚した俺の友人から聞いた話である。

つまり、今の彼の奥さんについての話である。

彼女は、いわゆるバツ2の状態で、俺の友人と出会った。

初めて会った時から、その性格や言葉遣い、そして物腰には、過去に2度も

離婚経験が有る様には全く感じられなかったという。

それで、俺の友人は、彼女と再婚する事になるのだが・・・。

以下、彼の奥さんの過去にさかのぼる話になる。

彼女は、若くして結婚する。

だぶん、二十歳そこそこで。

最初の夫は、仕事よりもギャンブルが好きなタイプだったという。

それでも、彼女は、夫が好きだったのだろう。

いつか変わってくれる、と信じて、一生懸命働いた。

だが、その一生懸命さが、仇になってしまう。

その夫は、働かないという楽な生き方を選んでしまう。

いつしか、彼女が、夫婦の全ての収入源になってしまう。

そんな生活でも、彼女はある日、妊娠する。

生みたいという彼女と、堕ろせ、という夫。

彼女は、子供が生まれれば、さすがに夫も変わってくれる筈と淡い期待を

抱いていた。

そして、女の子を出産する。

が、現実はそうではなかった。

夫は、子供が生まれたことで遊ぶ金が減ってしまう、それしか頭になかった。

そこで、彼女を夜間のバイトで働かせるという暴挙にでる。

身寄りもない彼女だったから、働きに出ている時には、赤ん坊の世話だけは

きちんとしてくれるように、夫に頼んだ。

が、夫は、それすら守らず、パチンコ三昧。

そんなだったから、彼女が夜の仕事から帰宅すると、赤ちゃんは、出掛けた時

のまま、という日が殆どだったという。

それでも、子供は育つもので、母親である彼女の愛情を一身に浴びてすくすくと

育った。

そして、来年からは、保育所に入れるという年、悲劇が起こる。

夜の仕事に出掛けた母親が忘れ物をした事に気付いた、その幼い娘は、

何とか、母親に忘れ物を届けたいと強く思った。

が、夫は、その時、パチンコ中で、不在。

その娘は、幼いながらも来年の保育園に着ていくであろう雨合羽をかぶり、

一人で外へ出る。

両手には、雨に濡れないように、しっかりとビニール袋に入れた母親の

忘れ物を握り締めて。

母親の夜の仕事場は、当然知らなかったのだが、母親似で、人見知りしない

その娘は、きっと、誰かに聞けば分かる、と思ったのだろう。

母親の忘れ物である、お店のキーホルダーが付いた小さなバッグを

通り過ぎる大人達に見せては、尋ねてまわる。

早く母親の元に行きたいという気持ちしか無かったのだろう。

その幼い娘は、いつも母親から、

車は危ないから気をつけてね。

もしも、車に轢かれたら、もうお母さんと二度と会えなくなっちゃうん

だからね、

と、言い聞かせられていたのも忘れて、道路に飛び出してしまう。

そして、その娘は、天へと召されてしまった。

そして、母親である彼女の元に警察から電話が入る。

半狂乱で店をとびだす彼女。

が、病院で再会を果たした時、その幼き娘には、白いシーツが掛けられていた。

その時の悲しみは、計り知れないが、その時、彼女は心に誓う。

私には、もう幸せになる資格もない。

そして、こんなに悲しい思いをするのなら、もう子供は生まない、と。

悲しい決心ではあるが、それが、その時の彼女の心の声に他ならなかった。

その後、その夫とは、即座に離婚し、出来るだけ目立たないようにひっそりと

暮らすようにしていたという。

が、人間の悲しみというのは、時間と共に癒され、辛い記憶も薄れていくのだろう。

彼女は、ひっそりと暗い町工場で働いていたのだが、そこで同じ職場で働く男性と

知り合い、つきあいを始め、そして数年後、結婚した。

真面目だけが取り柄と言える様な男性だったのだが、それでも彼女は、今度こそ!

と強く願う。

しかし、彼女には男運というものが欠如しているのか、彼女が選んだ男性は

結婚後、豹変してしまう。

毎日、酒を飲み、暴れ、彼女にも暴力を振るった。

そして、彼女名義で借金をさせ、その夫も会社を辞めて働かなくなってしまう。

毎日、家や職場に来る借金取り。

彼女は、職場を辞めざるを得なかった。

そして、ある日、いつものように酒を飲んで暴れ、彼女は髪を持って引き摺られ、

突き飛ばされた際、嫌な音がして、肋骨が折れたような音がした。

息苦しい。そして、息をするたびにひどくなる痛み。

彼女は、殺される、と思い、死んだ娘の形見の雨合羽を抱いて、家を

飛び出した。

彼女は、それからしばらくあても無く歩いたという。

そして、

何処に行けばいい、いや、どこも行く先がない。

生きてても辛いだけ、それなら、死ねば楽になる。

そういう短絡的な考えしか浮かばなかったという。

もう、彼女は、死ぬ事しか頭になかった。

そして、フラフラと歩いていると、目の前に陸橋が掛かっている。

あこそから、飛び込めば・・・。

彼女の足は、引き摺るように、でも確実に、その陸橋へと向かった。

そして、陸橋の階段を上りきり、橋の中央までくると、下を覗き込んだ。

眼下には、車が絶え間なく、そして勢い良く流れていた。

そして、辺りには誰も居ない。

ここなら、あっけなく死ねるかも。

不思議と怖さはなかったという。

彼女は、息苦しく痛む胸をこらえながら、陸橋の手摺をよじ登ろうとした。

その時、後ろから声が聞こえた。

片時も忘れた事の無い死んだ娘の声だった。

彼女は、嬉しさの余り、転げ落ちながら振返った。

すると、目の前には、確かに、死んだ筈の娘がニコニコと笑いながら立っている。

死んだ日と同じ服を着て、同じ雨合羽を着て。

あの時と何も変わっていなかったという。

彼女の目からは、涙が止まらなかった。

そして、迎えに来てくれたの?

お母さんも、○○ちゃんと一緒に連れて行ってくれるの?

そう、言った彼女に、娘は、不思議そうな顔でじーっと顔を見つめた。

そして、こう言った。

ママ、昔私に言ってたよ。車に轢かれたら、ママと二度と会えなくなるって。

ママは、車に轢かれて私に会えなくなっても良いの?

ハッとすると同時に、彼女は、自分の行動を悔いたという。

そして、

ママ、私が死んでから、楽しい事いっぱいあった?

ずっと生きてきて楽しかった事、いっぱいあった?

立て続けに聞いてきた。

彼女は嘘をつけず、こう答えた。

ううん。でもね。○○ちゃん、ずっとひとりで寂しかったでしょ?

だから、これからは、ママがずっと側に居てあげるから。

そうすれば、○○ちゃんは寂しくないでしょ?

そう答えた彼女に対し、娘は、少し泣きながら、こう言った。

ママとずっと一緒に居たいけど、でもね。

ママの悲しい姿ばっかり見せられてたから・・・。

だから、もう少し楽しい事、いっぱいいっぱい楽しんできて!

それまでは、寂しいけど、ずっと待てるから。大丈夫!

そう言って、彼女の胸に飛び込んできたという。

それから、暫くの間、彼女と娘は、二人だけの時間を色んな話をして過ごした。

そして、20分位過ぎた頃、突然、娘は元気よく立ち上がり、

もう行かなくっちゃ、といい、

ママ、大好きだよ!ちゃんと待てるから心配しなくて良いからね!

といい、タタタ、と走り出し、そして消えたという。

ひとり残された彼女は、また涙が溢れてきたが、間違いなく本当に

娘に再び会えた事で、不思議な幸せな感覚であることに気付く。

そして、再び、生活を立て直す為に、離婚し、過去とは違い、前向きに

娘に恥ずかしくないように生きようと頑張っている矢先、俺の友人と

出会う事になる。

俺の友人は、彼女名義の借金も全て肩代わりし、そしてプロポーズした。

元々、優しい性格の友人であるから、二度と過去のような事はないと思うが、

それでも、彼女は、子供は作る気はないという。

その時に聞かされたのが、今の話だそうである。

そして、友人も、その話を聞き、納得して、夫婦ふたりだけの人生を

歩いていく事を決めたという。

可愛そうだけれど、どこか、優しくなれる、そんな話である。

この話は、実話である。








Posted by 細田塗料株式会社 at 21:05│Comments(7)
この記事へのコメント
営業のKさん

・・・泣きました・・・。

手前勝手な希望ながら、友人ご夫婦の年齢も分からないのですが、出来うる事ならばお二人の間に・・・と切に願う私です。
心暖まるお話し、ありがとうございます。

明日からのお仕事、頑張って下さい。
Posted by 中西 at 2016年01月04日 22:08
中西様、いつも拙いブログをお読み頂きまして本当に感謝しております。本当に可愛そうですが何か心が温かくなる話だと思い、いつか書ければ、と思っておりました。何か感じて頂けたとすれば、本当に嬉しいです。ありがとうございました。
Posted by 細田塗料K at 2016年01月05日 09:00
仕事初めです。。私も
お疲れ様です<(_ _)>
お昼休み中ですが。。。

心から幸せを願うばかりです
ほっこりしました。

午後からも頑張れそうです♪
Kさんも頑張って下さい!!
Posted by ファン子 at 2016年01月05日 12:27
ファン子様、こんばんは。
貴重なお昼休みに拙いブログをお読み頂きまして、
本当にありがとうございます。この話は、自分も初めて聞いた時、辛い話に違いないのですが、何故か、ほっこりとした気持ちになれた記憶がありまして。そういう思いがうまく伝わっていれば嬉しいのですが。宜しければ今後も細々と続けていきますので、お読み頂けると嬉しいです。いつも、本当に感謝しております。
Posted by 細田塗料K at 2016年01月05日 17:10
あれ?おかしいな目からよだれが(´;Д;`)
Posted by 怖くない話! at 2017年06月22日 17:38
おかしいな。わたしも目からよだれが(`;ω;´)
Posted by ぽん子 at 2017年08月11日 15:49
はじめまして。
おかしいな、私も目から…鼻水が。
Posted by ちーろ at 2017年08月20日 20:57
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