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2016年03月06日

その本を読んではいけない!

サインディスプレイ部  営業のKです。

昨夜も片町で一人飲みしてました。

またしても、怖い話を仕入れましたので、いつかの機会に

お話させて頂きます!

それでは、怖くない話、スタートです!



これは俺の高校生の頃の話。

一応、運動部に所属はしていたのだが、実は読書好きな俺は、暇が

出来ると学校の図書室で時間を過ごした。

高校の図書室とはいえ、所蔵量は、かなりのものであり、ジャンルも

幅広かったから、俺の読書欲を満足させるには十分な空間だった。

今でこそ、ホラー小説が大好物になったしまったが、当時は、エッセイとか

SF小説、純文学などが好きな普通の高校生だった。

話は逸れるが、ちなみに、今も俺の愛蔵書は、片岡義男という作者の作品

であり、その文章を読むだけで、あたかも自分がその場に居るかのように、

目の前に風景が広がる文体を、すこぶる気に入っている。

で、話を戻すが、暇があれば、図書館を覗いているうちに、俺は、段々と

読みたい本が、無くなっていった。

新刊が入ると真っ先に読み漁り、当然、好きな作者やジャンルの本も

当然、読み終えてしまっていたから、読書欲を掻き立ててくれる様な

本を探すのに、一苦労するようになる。

で、いつもは、興味が無いジャンルの本しか並んでいない為、近寄る事も

無い本棚も、次第に俺の検索ルートに入っていった。

で、そこで不思議な本を見つける。

そこは、もともと歴史本が並んでいる棚であり、枕草子とか古事記とか、

そういう類の本が並んでいる棚である。

が、そういう重厚な本の中に隠れるように、一冊の本を見つけた。

タイトルも書かれていない白い本だった。

ペラペラとページを捲ってみると、どうやらその本は、とある女性が

自殺するまでの気持ちの変化や行動を日記調に書き綴っている内容だった。

今なら、何故、こんな物騒?な本が学校の図書室に?と思うのだろうし、

実際、ネットの自殺サイトなどにも、似たような趣旨の日記が普通に

アップされて閲覧できるのだが、その当時としては、たぶん画期的な

内容だったと思う。

それに、その本には、タイトルはおろか、出版社の名前も作者の名前すらも

書かれておらず、その得体の知れない雰囲気が、自殺など考えた事もなかった

俺の読書欲を刺激した。

その本は、最初は、普通の女子高生の普通の日記だった。

当然、普通の女子高生の日記など読む機会など有る筈もなく、俺は、

ふーん、こんな風に考えてるんだ?とか

俺とは、考えたかも性格も全然違うもんだな~

とか、普通にほのぼのとした気持ちで読むことが出来た。

その内容は、

誰かが誰かを好きみたいだから、うまくいくと良いな~とか

数学の先生が苦手で大嫌い・・など、本当に普通の女子高生の日常。

それでも、俺の興味心を十分に満たしてくれたので、俺は、ほぼ毎日

図書室に通い、その本を読んだ。

が、通常、ある程度は読み飛ばしながらの読書を得意?とする俺なのだが、

不思議と、その本は、一行一行しっかりと読まなければいけない様な

気持ちにさせられてしまい、読むのには結構時間が掛かった。

その本の日記は、それこそ、ほんの一行で終わっているページもあれば、

かなり長文のページもある。

まあ、多感な女子高生の日記なのだから、そんなものだろう。

実際、その本は、その女子高生が、日記を書き始めてから、自殺するまでの

約2年間の日記が記されていたのだが、ちょうど1年位の日記を読み終えた頃

から、その文体や内容は、少しずつ変わっていく。

その内容からは、明るい陽の部分がどんどん減っていき、暗い陰の部分が

多くなっていく。

細かい内容は、あえて書かないが、自殺する人間の考え方とか物の見方というのは、

これほどまでにネガティブなものなのか、と驚愕する俺が居た。

そうやって、何度も図書室で、その本を読んでいると、ある時、妙な事に気付く。

いつもは、ある程度の生徒や先生が居て、気付かなかった事なのだが、ある時、

偶然、たった一人で、その本を読んでいる時、気がついた。

1人の女性が、本棚の影からずっと俺の方を見ていた。

その女性は、かなり痩せており、どこか憔悴しきったような顔で、ぼんやりと

虚ろな目で俺を見ていた。

そして、その制服は、明らかに、この高校の物とは違うものだった。

最初、俺は、転校生かなにか、かと思い、気にも留めなかった。

しかし、その日以来、俺が図書室でその本を読んでいると、必ず、その棚の

影から、その女が、俺を見ていた。

そして、その女の顔は、俺が読み進むにつれて、どんどん痩せ細っていき、

まるで、死体が腐乱していく様を見せ付ける様な様相になっていく。

そして、俺を見つめるその目も、次第に、ギラギラした必死の形相になる。

さすがに、恐怖を覚えた俺は、一度その本を読むのを止めてみた。

そして、いつもそその女が立っている本棚の影の方を見た。

すると、そこにもうその女の姿は無かった。

やはりこの本が原因なのか?

俺はそう思い、それからその本を読むのを止めてしまう。

そして、図書室で、別の本を読み続けた。

が、こうして、別の本を読んでいても、常に頭の中には、あの本の存在があった。

特に文体がどうとか、内容が素晴らしいとか、そういう事ではなかった。

何か、魔力に取り付かれたかのような不思議な魅力が、その本には有ったのだ。

そして、図書室で、別の本を読むようになってから、何日か過ぎた頃、俺は

いつもの様に、本棚の影をチェックした。

相変わらず、あの女は、居なかった。

で、安心して、視線を本に戻した。

が、その時、俺はあまりの恐怖にヒッと声を出してしまう。

あの女が、俺が読書している長机の前にしゃがみこんで、俺の顔を覗きこんでいた。

そして、

なんで読むのを止めるの?

そう悲しそうな目をした。

耳鳴りがして、回りの音が聞こえない中、その女の声だけがやけにはっきりと

聞こえてきた。

そして、その崩れかかった顔を俺に近づけてきた。

俺は、慌てて目をつぶった。

痛かったんだよ!凄く!

そんな声が聞こえた。

しばらくすると、女の苦しそうな息づかいが聞こえなくなり、俺は、ゆっくりと

目を開けると、もうその女は、居なかった。

俺は、慌てて、そのまま図書室を飛び出した。

そして、しばらくは図書室を利用しなくなった。

普通なら、そう普通なら、ここで話は終わるのだが、その本には、何か読み続けたく

なるような魔力があったようだ。

で、俺は、その本を再び手にした。

が、今度は、貸し出しで本を借りて、自宅に持ち帰った。

ただし、不思議な事に、貸し出しの手続きの際、その本は、所蔵リストには

存在せず、管理番号も無かったので、特例的にだだ“白い本”として

借りる事が出来た。

そして、自宅に持ち帰り、俺は、再びその本を読み始めた。

一応、間隔が空いてしまっていたので、最初のページから読み始める。

が、読み進んでいくと、何かが違っていた。

そう、以前読んだ時とは、内容が少し違っていた。

印刷物の本に、そんな事が有り得る筈もなく、俺は気のせいかな、と大して

気にも留めなかったのだが・・・。

どんどん、読み進んでいくことが出来た。

まるで、以前読んだ時の呪縛にも似た、しっかり読まなければ、という

強迫観念は感じられず、逆に、早く最後まで読まなければ・・・。

今度は、そういう気持ちが強くそれでいて、活字の一文字一文字がしっかりと

頭に焼き付けられていく。

そうして、読み続けると、その本が、はっきりと現在進行形で書き換えられている

事がはっきりしてくる。

それは、つまり、その本の中に、今、この本を読んでいる俺に関しての

記述が出てきたから。

そして、俺に対する恨みも、そこには書き綴られていた。

そして、その頃になると、もうその日記は、文章の体を成しては居なかった。

ただ、訳の分からない言葉が並べられていたり、殺してやる殺してやるとだけ

書かれたページもあった。

俺は、さすがに怖くなってきて、つい窓のほうが気になってしまい、カーテン

を閉めようと、窓の側に来た。

そして、何気なく外を眺めると、そこにいた。

電柱の外灯の下で、あの女が、嬉しそうにニヤニヤしながら俺を見上げていた。

俺は、急いでカーテンを閉めると、さっさとその本の閉じた。

得体の知れない恐怖が、その本への興味心を凌駕していた。

そして、明日、図書室に返そうと思い、その本をカバンに詰めると、家族が

テレビを見ている居間へ行く。

一人でいる事が耐えられなかったから。

そうして、テレビを見ていると、先程の恐怖が、少しずつ薄れていった。

すると、突然、今の電話が鳴った。

母親が電話に出て、そして俺に言った。

なんか、女の子が、お前を出せって!

そう言われ、俺は電話に出た。

すると、小さな声で

最後まで読まないなんて・・・許さない!

そう言われて、電話は切れた。

俺は、さすがに怖くなり、家族に、その本の事を全て話した。

すると、これまた読書好きな父親が、

そういう曰くつきの本も世の中にはあるっていう話を聞くから、一応、

その本は、カバンではなく、今夜は、神棚の中に入れて寝なさい。

きっとご先祖様がお前を守ってくれるから。

そして、明日、学校に行ったら、間違いなく、すぐにその本は返してきなさい!

そう言われた。

俺もその方が何となく安心だと思い、その晩は、その本を神棚に入れて寝た。

が、真夜中、ちょうど午前1時半を回った頃に目が覚めた。

覚めたというよりも、起こされたという方が正しいかもしれない。

今夜は、晴れで穏やかな夜の筈なのだが、その時、起きると、窓ガラスは

ガタガタと揺れており、時折、コンコンと窓ガラスを叩く音も聞こえた。

そして、その音に混じって

本を何処にやった?

あの本があれば、そこに入っていけるのに・・・・。

本を何処に隠した?

そう繰り返していた。

あの女に違いない、と俺は確信した。

だが、何も出来ず、布団をかぶって、耳を押さえガタガタと震えるしかなかった。

その女の声は、ずっと続いた。

が、知らないうちに寝てしまったらしく、次に目が覚めると、すっかりと朝に

なっていた。

カーテンを開けると、快晴の清清しい天気。

が、そこに、昨晩、あの女が付けたであろう指や手の跡がくっきりと残っており、

あの女が窓のすぐ前まで迫っていた事を改めて知り、恐怖した。

そして、俺は、その朝、急いで学校に行くと、すぐに図書室に向かった。

が、図書室には入らなかった。

そこには、かなりの確立で、あの女が手薬煉引いて待っていると感じたから。

なので、悪いとは思ったのだが、図書室の入り口のドアの下にそっと、その本を

置いてその場を立ち去った。

それからは、怪異はすっかり消えていた。

ただ、それから数ヶ月後、俺は久々に図書室に行き、生徒や先生でかなり

賑わっていた事もあり、再び、その本を探してみた。

が、その本は、もう何処にも存在していなかった。

その本が消えていたことは、嬉しい限りだったのだが、それでは一体何処に

消えたのか、という事を考えると少し不安にはなった。

そして、それから20年以上経過した頃、俺は、再びその本を目にする事になる。

今度は、その本は、とある公立の大きな図書館にあった。

娘を連れてその図書館に行った時、偶然近くの女性が、読んでいる本に

目が留まった。

本の大きさ、厚み、そして無印の白い外観と、崩れた文体。

あの本に間違いなかった。

そして、恐る恐る、俺は辺りを見回した。

遠くにある本棚の影に、間違いなく、あの女が立っていた。

ただ、その視線は、俺には全く興味が無いかのように、その白い本を

熟読している女性ひとりに注がれていた。

俺は、娘を連れて、その図書館を急いで出た。

もうあの本には、関わりたくなかったから・・・。

その白い本は、今も実在する。






Posted by 細田塗料株式会社 at 15:11│Comments(8)
この記事へのコメント
営業のKさん

何ちゅう恐ろしい本ですか・・・それ・・・読み終えたら・・・連れて行かれるんですよね(泣

私も読書は好きですよ。
自宅(自室じゃ無いのが悲しい)でチビリと酒を呑みながら、良く読書をします・・・最近は忙しく、しました(過去形)かな・・・でも酒は呑んでますが(笑

>片岡義男

バイク小説の先駆者と言えますか?
私も以前は沢山読みましたよ。
時には星の下で眠る・・・彼のオートバイ、彼女の島は映画化されましたね・・・スローなブギにしてくれ、もだったかな。
とにかく、景色や人物の描写て私の頭にうかぶイメージが素晴らしく格好良かったですね。

バイクのマフラーにレトルトカレーを針金で蒔き付けて、ご飯はアルミホイルに包んでエンジンで暖める・・・何てのもありましたか?実際にツーリングの時にやりましたよ。

この方は実際にバイクに乗って、色々な体験をしてるんだろうな・・・と当時、わくわくしながら読んでいましたよ。

それでは、次回も更新を楽しみにしております!
Posted by 中西 at 2016年03月06日 22:40
懐かしさのあまりに追記です。

片岡さんの本を一番読んだのは高校生の頃ですね。
当時飛ぶ鳥を落とす勢いであった角川のオーディションから誕生した薬師丸ひろ子のファンであった私は、三ノ宮や元町の映画館に足を運びましたよ。
野生の証明・・・私の原点の様な気がします。

で、大薮さんの「汚れた英雄」が草苅さん主演で映画化されたのも、その当時ですね。
またスタジオジブリの宮崎さんが「風の谷のナウシカ」を公開されたのが当時かと・・・多感な青春時代を、小説や映画に影響を受けながら成長させてもらえた事に感謝です。
Posted by 中西 at 2016年03月07日 00:11
中西様、こんにちは。
いつも、ありがとうございます。
片岡義男も読まれてるみたいで嬉しいです。
それにかなり詳しそうですね。
カレーとご飯の温め方は、当然、私もやりましたね(笑)なんか共有出来る所が多いですね(笑)
薬師丸ひろ子は、確かに良かったですね。
私も野生の証明という作品は、大好きですよ。
それに、CMで、ヘッドフォンで音楽聴きながら涙を流すシーンが、グッと来ましたね。
汚れた英雄も、バリバリ伝説と共に大好きですし、今もたまにDVD見ますね。
草刈さん役の平選手はじめ、当時の一流どころのライダーが出ていて見応えありますね。
ただ、レースシーンは、ちょっと陳腐なストーリーですし、実際、ライダーさん達も、かなり流す様なペースで走られているのが、笑えます(笑)
また宜しくお願いします!
Posted by 細田塗料K at 2016年03月07日 12:23
すごく怖いんですが、実話ですか?小松の、芦城公園の話も実話?ついこの間、娘とそのトイレ利用したのに〜汗
怖過ぎです。
Posted by ちはるる at 2017年01月10日 13:19
Kさん
こんばんは(^ ^)

中西さん
こんばんは(^ ^)

ついついiPhoneを手にとって『怖くない話』を読んでしまいますが、
Kさんが柱の影にいらっしゃる…なんてことはありませんね。

私はKさんワールドの魅力にハマってしまって
ちょっと抜け出せないです(笑)
中西さんのコメントも言い得て妙というのでしょうか。
ブログを読み終えた後の怖さをうまく和らげてくださり頼りになります。(勝手に頼ってます)
Posted by とも at 2017年08月22日 22:53
営業のKさん

この場をお借りして

>ともさん

頼って下さいな!
加齢ゆえ、すぐに倒れてしまう私ですが(汗

この記事も・・・ですよね。
柱の影のKさんに、乾杯!

アシスタントのマリリン中西が、お送りしました。
Posted by 中西 at 2017年08月26日 22:59
Kさん
こんばんは(^ ^)

ブログのコメント欄も大盛況ですね♡
私はとーっても天邪鬼なのか
ランダムにコメント欄を嵐に来ています(^_^;)
(誤字ではなく荒らしをやんわりとイケメン表記しました 笑)

>中西さん
コメント欄の『シビック』でもしやと思いきてみてビックリ!
ここでもお返事ありがとうございますƪ(˘⌣˘)ʃ ←小躍りの図(笑)
『チーム怖くない話』でレーシングチーム作って走りませんか?(嘘です)
Posted by とも at 2017年09月07日 00:51
営業のKさん

この場をお借りして

>ともさん

良いですよ!
お望みならば走ります(キリッ

けどですね・・・最近はスプリントよりも耐久の方が向いてるのかなと思いますが・・・いやメカニックかな?

それでは、未来でもお会いしましょう。
Posted by 中西 at 2017年09月08日 20:00
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