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2016年12月11日

連れて行かれた友人!

サインディスプレイ部 営業のKです。

娘が富山県の友達の処へ泊まりに行ってしまい、夫婦2人きりに

なってしまった今週の週末。

まあ、別に仲が悪いわけでもないんですが・・・。

それでも、ある意味、心霊現象よりも、ストレスを感じ、

ある意味、恐怖の時間でした。

妻には言えませんが(笑)

それでは、怖くない話、いきます。



友人に、病気で奥さんを亡くされた方がいる。

亡くなられた時の奥さんはまだ30代だったと記憶している。

子供を授からなかった事もあり、本当に仲の良いご夫婦だった。

が、人生とは酷なもので、彼の奥さんは、ある難病でそれこそ

闘病という事も出来ぬまま、病気が見つかってから、1ヶ月も

もたず、永遠の別れになってしまった。

更に彼は奥さんが入院してから、ずっと仕事を休んで

奥さんの看病にあたっていたのだが、ある日、病状が一気に好転し、

それこそ、いつもの状態のように元気になった。

もう大丈夫だから、貴方は仕事に戻ってね。と奥さんに言われ

彼は喜んで、仕事に復帰した。

だが、彼が仕事に復帰した、その日に突然、奥さんは亡くなってしまう。

病院から連絡をもらい、急いで病院へと駆けつけた彼だったが、

死に目にも会うことは叶わなかった。

それからは、彼は抜け殻のようになり、仕事も休みがちで、休みの日にも

家から一歩も出る事は無くなった。

そんな彼を心配して、仲間で励まそうと集まったこともあったのだが、

彼の悲しみは、それほど簡単なものではなく、俺達友人は、

きっと時間が解決してくれるだろうから、もう少しそっとしておこうか。

という事になり、暫く彼との連絡をしなくなった。

それから、1ヶ月ほど経った頃である。

俺達の所に、彼から突然連絡が入る。

色々と心配かけてしまったけど、もう大丈夫だから。

今度、うちで一緒に飲もうよ。

それに、見せたいものも有るんだ・・・。

そういう内容だった。

その電話をもらって俺達友人は喜んだ。

しかし、あれだけ仲が良かった奥さんを亡くして、こんなに短期間で

立ち直れるものなのか?

という疑問はあったのだが、指定された日に彼の家に行き、宴会をしようと

いうことで、決定した。

宴会当日、俺達は各々の車で、おつまみやらお酒を買いこみ、彼の家に

集まった。

彼を含めると、合計6人の宴会である。

彼の家に到着すると、家の前で彼はニコニコしながら待っていた。

彼は、かなり頬もコケ痩せてはいたが、元気そうだった。

そして、俺達が、おつまみや酒を買い込んできたのを見て、

お酒も料理もこちらで用意したから、買い込んできてくれた物は、それぞれ

持ち帰ってくれれば良いよ。

そう言われた。

彼の家に入ると、予想とは違い、家の中は整然と整理され掃除も行き届いて

いるのを見て驚いた。

彼はもともと大雑把な性格であり、とてもこんなに綺麗に掃除出来る

人間ではないのは、友人皆が知っていた。

だから、もしかして、新しい奥さん候補でも見つけたのかな?

とヒソヒソと話したのを覚えている。

酒宴が始まると、最初は少しぎこちないところも有ったのだが、酒の

量が進むと、皆、昔のままの友人の会話を楽しめた。

何より、彼が奥さんを亡くした悲しみから、これほどまでに回復して

くれていたのが嬉しかった。

出てくる料理も、精進料理のようなものばかりではあったが、その味は

素晴らしく、どれも皆、必要以上に冷え切っている事を差し引いても

十分満足できるものであった。

俺達は、やっぱり新しい奥さん候補が出来たに違いないと話しあった。

酒宴も、盛り上がってきた時、彼が満を持したかのように、正座して

俺達に語りだした。

奥さんの話だった。

正直、俺達は、まずい・・・と思ったのだが、彼は何故か嬉しそうに

話を続ける。

正直、この飲み会に誘われたとき、俺達の中では、

彼の亡くなった奥さんの話はタブーであり、一切触れてはならない、

というものだったから、皆、呆気に取られた。

大丈夫なのか?

もしかして、精神的にやられてしまったのでは?

それが率直な感想だった。

だが、彼は亡くなった奥さんとの馴れ初めから始まり、デートの話、結婚生活、

そして、亡くなった日の事ですら、優しい表情でかみ締めるように話した。

そして、奥さんが亡くなった日の事を話し終えると、彼は更に姿勢を正し、

俺達全員の顔をしっかりと見ながら、こう言った。

実は、妻が死んでから、ずっと生き返ってきてくれ!

どんな姿でも良いから・・・

そして、もしもそれが叶わないのであれば、俺をお前が行った場所へと

連れて行ってくれ!

毎日、そう思って過ごした。

そして、もしもお前が連れて行ってくれないのなら、いっそ、自ら命を

絶とうとすら考えていた。

それこそ、毎日毎晩。

そしたらさ。戻ってきてくれたんだ。

妻が! 以前と変わらぬ姿で・・・。

そう言うと、嬉しそうに泣き出してしまう。

そして、

今日の料理だって、全部妻の手作りなんだよ。

ちゃんと美味しいだろ?

そう言われた。

そして、今は理由があって、まだお前達の前には出られないけど、

いずれ、しっかりとお前達にも、生き返った妻の姿を見せられると

思うからさ。

そう言いながら、美味しそうに酒を飲み干す。

そして、料理が無くなった皿を持って、台所の方へと消えていく。

そして、誰かと話している彼の声が聞こえたが、相手の声は聞こえない。

だが、そのあと、彼はお皿一杯に盛られた料理を両手で持ち、戻ってくる。

そして、妻が喜んでるよ。

お前達が、料理を一杯食べてくれるから・・・。

そう言って、また一気に酒を煽る。

そうして、その日の晩は、全員が彼の家で泊まらせて貰ったのだが、指定された

部屋に行くと、整然とふとんが敷かれており、俺達は酔いが冷める気分だった。

そして、何事も無く、朝が来て、またしても精進料理のような朝食が

用意されていた。

美味しかったので文句は無いのだが、ご飯ともとより、味噌汁すら、冷たかった

のは、少し驚いた。

それから、いよいよ帰るという事で全員が家から出たのだが、その時、ある事に

気付いた。

外が異様に暑いのだ。

いや、正確に言うと、今まで居た家の中が異常に冷え切っていた事に気付いたのだ。

その後、笑顔の彼に見送られ、彼の家を後にした俺達は、そのまま喫茶店で

話し込んだ。

当然、生き返ったという奥さんの話であった。

否定的な意見もあったが、実際、俺の友人で、亡くなった奥さんと幸せに暮らしている

友人もいる、という話をすると、

http://sign.hosodapaint.com/e69402.html  参照

そういうのも、あるのかもな・・・。

と全員が、そっと彼を見守り事になった。

そして、それから彼はまたしても俺達と疎遠になってしまう。

いや、性格には、メールも帰ってくると、電話にも出てくれた。

ただ、一緒に出掛けないか?とか、今日、家に行っても良いか?

との問いかけには、いつも

俺は会いたいけど、妻が駄目だって言うから・・・。ごめん。

そういう返事ばかりだった。

そして、ここからは、彼に聞いた話である。

俺達との飲み会の後くらいから、奥さんの機嫌が悪い日が続いたらしい。

そして、彼が外出しようとすると、奥さんは泣くのだという。

買い物は勿論、仕事にも行けなくなった。

そして、家に居て、視線を感じ、顔を上げるとそこには必ず奥さんの

顔があった。

それは、異常に思えるくらいで、風呂に入っている時、トイレに入っている

時も、ドアを開けると、そこに奥さんが立っていた。

まるで、監視され逃げないように軟禁されているようだった。

さすがに、彼も困り果ててしまい、奥さんに言った。

仕事にも行けないんじゃ生活出来ないよ?

それに、食料品とかも一切買ったのを見た事が無いけど、どうやって

やり繰りしてるの?

そう言うと、奥さんは、急に怖い顔になり、彼に言ったのだという。

あなたが早くあの場所に一緒に行ってくれないから私はこんな中途半端な

状態でいなくちゃいけないの!わかる?

だから、早くあの場所に行こうよ!

と冷たく言い放った。

あの場所・・・というのは、以前から奥さんから聞いていた場所であり、

あの世とこの世を繋いでいる境界線にある場所であり、その場所に彼が奥さんと

一緒に行き、再び一緒に帰ってくる事で奥さんは

完全なる“よみがえり”を果たす事が出来るというものだった。

確かに一刻も早く愛する奥さんを完全に蘇らせたいという気持ちは強かったのだが、

彼の頭の中には、日本神話に出てくるイザナギとイザナミの話が強く残っていたから。

要すると、神の夫婦であったイザナギが亡くなった妻のイザナミに逢いたくて

黄泉の国へと向かったが、そこで醜く腐り果てた、妻イザナミの姿を見て

逃げ帰ってくる、という話である。

だから、なにより、彼は醜く腐り果てた、愛する妻の姿を見たくはなかった

から、ずっと言葉を濁し、曖昧な返事しかしなかったらしい。

それでも、奥さんに冷たく言い放たれると、もう行くしかないのか、と

諦め、奥さんにそれを伝えた。

すると、奥さんは、生き返ってから初めて笑ったという。

しかし、その笑いは、冷たく不気味な笑いであり、あの顔は死ぬまで

忘れられない、と彼は言っていた。

それでも、もう後には引けず、彼は、どうすれば良い?と奥さんに聞いた。

すると、今夜は、私と一緒に寝て下さい。

そうすれば、あの場所へ連れて行ってあげます。

そう言われた。

そして、彼は奥さんが用意した白い着物を着せられ、同じ布団で寝る

事にした。

横で眠る奥さんの体はとても冷たく、あの場所へ行く事で、また、

暖かい妻の体が戻るなら・・・と自分に言い聞かせながら床についた。

そして、いつしか深い眠りに落ちたらしい。

彼は夜中に目を覚ますと、既に横に寝ていたはずの妻はいなかった。

何処に行ったのだろう?と妻を探して家の中を彷徨うように歩いた。

すると、玄関の処に妻が居て、彼に手招きをしている。

覚悟を決めていた彼は、その手招きに応じた。

そして、玄関までくると、その後は、妻が少し歩き、また手招きされ、そして

それに応じて、妻の処まで行く。

ソレの繰り返し。

そして、どこをどう通ったかは忘れたが、気が付くと、目の前に大きな横穴が

口を開けていた。

そして、手招きしながら、その横穴に入っていく妻に続いて彼も付いて行った。

横穴の中は、そこそこ広く、明かりがついていないのに、視界が確保できた。

そんな道を延々と歩いた。

少しずつ、下方へと向かって歩いているのがわかった。

どれだけ歩いただろうか、ふと彼はある事に気付いた。

生き返ってからの妻は、性格も変わり、会話もほとんど無くなった。

生前は、あんなに俺だけのことを考えて尽くしてくれた妻が、自分の

よみがえりの為とはいえ、俺をこんなに危険な場所に連れて行こうと

するのだろうか?

もしかすると、俺は、何か大きな間違いを犯しているのではないのか?

それに、俺は妻が生き返ってから、どんどん痩せ細っている。

ちゃんと食事は摂っているはずなのに・・・・。

妻の作った食事を・・・。

そう考えると、

生き返ってからの妻の行動全てが全て嘘のように感じられ、突然、

強い恐怖感に襲われた。

そして、彼は歩くのを止めた。

すると、前方を歩いている妻も、それに気付き歩くのを止めた。

そして、前を向いたまま、

どうしたの?早く行かないとあの場所には辿りつけないよ!

そう大声で叱責された。

そして、彼は、

もう少し、もう少しだけ考えさせてくれないか?

と妻に返した。

すると、突然、妻がこちらを振り向き、こちらに向かってきて彼の

腕を掴んだ。

とてつもなく強い力だった。

そして、何より、彼を呆然とさせたのは、振り返った妻の顔が全くの

別人であった事。

吊りあがった目と大きな口は、まさしく鬼女というのがピッタリだった。

そして、その女は、彼の腕を掴み、そのまま強引に道の奥へ奥へと

引っ張っていく。

とても、抵抗できるような力ではなく、何故かどんどん彼は力が抜けていき

その女の為すがままに、引き摺られるようにして道を進まされた。

そして、どれだけ引き摺られたであろうか、

突然、前方に小さな橋が見えた。

あれを渡ったらもう二度と戻っては来れない!

彼は何故かそう確信した。

だから、最後の力を振り絞るようにして抵抗した。

だが、やはり、その女の力は強く、少しずつ少しずつ、橋を渡っていった。

そして、ちょうど橋の真ん中くらいに来た時、彼は

もう駄目だ!

と死を覚悟した。

と、その時、前方から、小さな光が見え、それがどんどん大きくなりながら

ぐんぐん近づいて来る。

そして、彼の耳元で、

諦めてはダメ!

こっちへ来てはダメ!

逃げて!

そう聞こえた。

亡くなった妻の声だった。

彼は、その暖かい声を再び聞くことが出来て、涙が止まらなかった。

そして、その声で彼には、また力が溢れてくるのを感じた。

そして、その光が彼とその女を包み込むと、その眩しさから

その女の手が、彼の腕から離れた。

彼は、一気に身を翻し、もと来た道を全力で走った。

その間、何度も、その女の声が近づいてきて

待て~。逃がすか~。

という声が聞こえたが、その度に光が、その女を包み、その声は離れて行った。

そう何度も繰り返し、とうとう彼は横穴の入り口の近くまで辿りつく。

ただし、その時には、再び、その女の声が彼のすぐ背後まで近づいていた。

彼をずっと助けてくれた光は、もう感じられなかった。

妻がどうなってしまったのか、彼は気掛かりだったが、今は、背後に迫る

女から逃げるしかなかった。

もうその女のが彼の着物を引っ掻く位の距離まで近づいていた。

前方の穴の入り口までは、もう少し。

彼は、思い切って、その穴から外に飛び出す覚悟をした。

もしも、その女が穴の外まで追って来たら、もうそれでジ・エンドであったが、

彼にはもうその選択支しか残されていなかった。

腕を伸ばし、彼の着物を捕まえようとする手をかわして、彼はその穴から

飛び出した。

すると、そこは、彼が寝ていた布団の上だった。

もう夜は白み始めていた。

布団に二つ並んだ枕が、妙に生々しく、あの女が幻ではなかったのだと、

再認識させられた。

そして、彼が着ていた白い服は、死装束だと気付き、慌ててそれを脱ぎ捨てた。

それ以来、彼の身には、何も起こっていないが、毎日、奥さんに手を合わせ、

仕事帰りには、墓参りを欠かさなくなったらしい。

それにしても、彼の奥さんの生き返り、として彼に近づいた女は一体何者で、

何が目的だったのか。

それを考えると、怖くなってくる。

そんな彼の家は、金沢市の東山に実在する。




Posted by 細田塗料株式会社 at 20:51│Comments(2)
この記事へのコメント
K様
日曜日も更新して下さってありがとうございます。
人の悲しみにつけこむたちの悪い霊ですね。
ムカつく!!
本当の奥様が助けてくれてよかったよかったー

幽霊より奥様が怖いのは噴出しましたよー
Posted by ちんぱん at 2016年12月11日 22:45
営業のKさん

子供と言う緩衝がない時の家庭内の微妙な空気・・・分かる気がします(笑
そんな時は、夫婦二人で着飾って街へ繰り出しましょうよ。
旨い食事に旨い酒、そして「今も変わらず俺、君に恋してる」なんて浜田省吾ばりに・・・なんて夢を見る、酔っ払いの戯言でした(笑

いやいや・・・凄まじい体験ですね。
ご友人の無事が何よりですし、愛と情、生と死、色々な事を色々な意味で考えさせられる記事に感謝いたします。

それでは、次回も怖くない話を楽しみにしております。
Posted by 中西 at 2016年12月11日 23:05
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