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2016年12月18日

続・タクシーの運転手さんから聞いた話

サインディスプレイ部 営業のKです。

本日夜から、クリスマスライブがスタートします!

毎年やってますが、やはり初日は緊張しますね。

たぶん、ミニスカ・サンタのお姉さんも今頃は

緊張のピークでしょうね(笑)

とにかく頑張ってきます!

それでは、怖くない話、行ってみましょう!



前回のタクシーの運転手さんの話が何故か?好評でしたので、過去に

いくつか聞いた話の中から1つ話そうと思う。

その日、俺はまたしても片町の飲み会からの帰り道、タクシーを

利用した。

シトシトと雨が降る深夜だった。

その時乗ったタクシーの運転手さんが、疲れた感じで、何度も

はぁ~っとため息をつきながら運転していたので、俺は聞いてみた。

大丈夫ですか?運転手さんの仕事がハードなのはわかりますけど、

あまり無理しすぎて事故でも起こしたら大変ですよ?と。

すると、その運転手さん(Aさん)は、俺にこう返した。

いや、疲れてるのは確かなんですけど、仕事がハードとかそういうのでは

なくて、精神的にやられちゃったみたいで・・・。

ちょうど、こんな雨の日だったんですよ。前はよく見てたんです。

でもね。事故を起こしてしまって・・・。

それから・・・なんです。

俺は、もしかしたら、やばいタクシーに乗ってしまったかもしれない、と

思い、更に聞いてみた。

それからって、何がそれから・・・なんですか?

しかも、精神的にやられちゃってるってどういう意味ですか?

それに、タクシーに乗った時から思ってたんですけど、この車内の寒さといい、

少し頭痛がすることといい、そして、さっきからずっと窓の外に何か張り付いてる

みたいなんですけど、これって、もしかして・・・。

そこまで言うと、Aさんは、突然車を路肩に停止させて、こう言った。

もしかして、お客さん、見える人なんですか?そういうものを?

だとしたら、本当に申し訳ないんですけど、少しだけ話を聞いて頂けませんか?

勿論、タクシーの料金は要りませんし、ご自宅まできちんと送らせて頂きます

ので、ご安心ください。

そう言われて、正直、面倒に巻き込まれるのは勘弁して欲しいと思ったのだが、

そのAさんの真面目そうな顔や言葉遣い、そして、やつれきった姿を

見ていると、放ってはおけなくなり、

少しだけなら良いですよ。それに、きちんとタクシー代は払いますから。

そう言うと、Aさんは、とてもホッとした顔を見せ、そのままコンビニの

駐車場に入り車を停止させた。

その時に聞いた話が、こんな話である。

Aさんは、その日、夕方からタクシーに乗り、仕事に従事した。

観光客や酔っ払いなど様々な人を乗せ、それなりに和やかな会話で

問題なく仕事をこなしていた。

天気は生憎の雨だったが、客足は悪くなく、順調だった。

Aさんは、病気がちで働けない奥さんと、まだ小さな子供が1人

という家族構成であり、真面目な性格もあって、彼は常に真剣に

そして積極的に仕事に向かっていた。

そして、その日の午前0時を廻った頃、雨が急に強く振り出す。

彼は視界も悪く、そして何より自分が疲労している事に気付き、もう

少ししたら休憩しよう!

そう考えていた。

その時、決してスピードを出していた訳でも、わき見をしていた訳でも

ないのだが、とある小さな交差点で女性と接触事故を起こす。

Aさん曰く、交差点の右折の時は、特に注意して運転しているそうだが、

その時は、本当に突然、気が付いたら目の前に女性が立っており、

急ブレーキをかけたが間に合わず、そのまま鈍い音を立てて、その女性

と接触してしまったという。

急いで車から出て、その女性のもとへ駆け寄った。

すると、その女性は、ゆっくりと起き上がりながら、Aさんにこう言った。

大丈夫ですから・・・・。

本当に無表情な顔だった。

それでも、一応病院へ連れて行かせてください!と頼むAさんに、その女性は

本当に大丈夫なんです。それに私は待ち合わせをしていので、早くその待ち合わせ

場所へ行かないと・・・・。

そう返した。

女性は、この雨の中、何故か傘もさしておらず、全身がびしょ濡れであり、無表情

な顔と相まって、少し気味悪く感じたという。

ただ、その時、やはり自分が事故を起こして会社をクビになったら・・・。

そう考えると、もしもこのまま病院へも行かずに済ませられれば・・・・。

そんな考えが頭をよぎった。

更に雨の深夜とはいえ、繁華街から近いその場所にも関わらず、車や人が

全く見えなかった。

だが、さすがに、その女性を放置して行く訳にもいかず、Aさんは、

それなら、私がその待ち合わせ場所まで送りますよ。いや是非送らせて

ください。

そう言った。

すると、その女性は、一瞬ニヤリとした笑みを浮かべて

それなら、お言葉に甘えて。

そう言って、自らタクシーのドアの方へと歩き出した。

正直、びしょ濡れである女性を後部座席に乗せることは避けたかったが、

その女性が、そそくさと後部座席のドアの前に立っており、Aさんは、

それに従うしかなかった。

女性を後部座席に乗せると、Aさんは

そんなに濡れていたら風邪ひいちゃいますから、すぐに暖房を強くしますね?

と言うが、その女性は、熱いのは苦手だから、冷房で!

と返した。

変な事を言う女性だな、とは思ったが、Aさんは、空調を冷房に切り替え、

風量を強にした。

そして、待ち合わせ場所は何処ですか?

と聞くと、とりあえず、医王山の方へ、とだけ言われ、Aさんは車を

発進させた。

こんな時間に医王山で待ち合わせ?と思ったが、既にAさんの頭の中には

早く後部座席の女性を待ち合わせ場所まで送り、開放されたい、という

思いしかなかった。

そして、道すがら、Aさんは時折、後ろの女性に

大丈夫ですか?

やっぱり痛くなったりしたら、すぐに言って下さいね。

と声を掛けたが、何の反応も無かった。

なのでAさんは、ルームミラーで後部座席の様子を伺うが、後ろの女性は

携帯を触るわけでなく、ただまっすぐに前方を見ているだけ。

そして、いよいよ医王山に入り、山道を登り始める。

そしてAさんは尋ねた。

もう医王山に入りましたけど、待ち合わせ場所って、どの辺りですか?

それでも返答が無いので、

それじゃ、医王山の一本道を登りますから、待ち合わせ場所の近くまで来たら

言ってくださいね。

そう大声で言った。

そして、山道をどんどん登っていくと、もう完全に民家は消え、完全な暗闇

だけの世界になる。

そこでAさんは冷静に考えてみた。

こんな時間に、こんな山奥で待ち合わせ?

もしも本当だとしても、その待ち合わせの相手というのは、明らかに

ヤバイ奴なのではないか?

いや、それ以前に、待ち合わせ相手など元々存在せず、後ろの女性が

ヤバイ奴なのではないか?

いや、それよりも、後ろに乗っているのは本当に生きている人間なのか?

そう考えると、居ても立っても居られないほどに恐怖が襲ってくる。

車はすでにスキー場の辺りまで登ってきている。

そこで、Aさんは語気を強めて言った。

すみません!待ち合わせ場所って、この辺で良いんでしょうか?

それでも返答が無かったので、更に語気を強める。

あのね。この先には、もう上の池に出る道か、温泉街へ降りる道しか

無いんですけど?

そう言うと、後部座席からボソっと声が聞こえた。

上に行って・・・。

もうこの時の声は、先程聞いた女性の声ではなく、しわがれた老婆の

様な低い声だったという。

Aさんは、その時、絶対に上への道に行くべきではない、と直感した。

上の道に行けば、それでジ・エンドになる。

何故か、そういう確信が有った。

それに、もうAさんの神経は、その恐怖に耐えられなくなっていた。

そこで、Aさんは、自動販売機が置かれて、とりあえず明かりがある

場所まで来ると、急にタクシーを止め、そのままドアを開けて転がるようにして

車外へと出た。

エンジンは切っておらず、車から漏れ聞こえるラジオと音とともに、静寂の

闇の中で、唯一の心の拠り所になった。

Aさんは、自動販売機の近くでしばらく、そのまま待機した。

その女がこのまま車を降りてくれれば、急いで自分が車に乗り込み、

急いでこの場を離れるつもりだった。

それから、どれくらいの時間が経過しただろうか?

全く車から降りる気配がない女性に痺れを切らせたAさんは、恐る恐る車に

近づき、後部座席を覗き込んだ。

だが、そこには、もう既に、その女性の姿は無かった。

タクシーから降りたのは間違いなく自分だけ。

なのに、あの女の姿が見えない。

やっぱりあの女は・・・・。

そう思い、冷や汗が出た。

その時、Aさんの背後から声が聞こえた。

もう逃げられないんだよ・・・・。

低く地の底から響くような声だった。

とっさにAさんは後ろを振り向く。

すると、そこには、先程の女性らしき女が、

ガリガリに痩せ細った姿で立ち、ニターっと笑っていた。

Aさんは、完全に腰を抜かしてしまった。

しかし、人間の生への執着は強いのか、Aさんは、這うように後ずさり

して、車まで辿りつき、運転席に這い上がって車を発進させた。

そして、無事にその場から離れることが出来たらしい。

だが、Aさんは、その後も頻繁にその女を目撃するようになってしまう。

1人でタクシーに乗っている時、お客さんを乗せているとき、また、ある時には

信号待ちで停まっているAさんの車の前を、その女が渡っていく事もある。

そのどれもが、まるで自分の存在を誇示するかのように、わざと目立つ

ように、その女は出現するという。

最後に、そのAさんは、俺に聞いてきた。

何とかなりませんか?

御祓いとか、そういうのも、知りませんか?と。

しかし、俺は首を横に振るしかなかった。

実はその時、話を聞いている途中から、その話の女が、俺の隣に座り、

その話をニヤニヤしながら聞いていた。

そして、時折、Aさんに顔を近づけては、満足そうにしていた。

俺は常に、強い護符を身に付けている。

その俺の隣に簡単に座り、そして自由に動き回る女。

とてもじゃないが、俺の手に追える相手ではないのは明らかだった。

そして、再びタクシーを発進させ、俺の家の近くまで送ってくれたAさん。

俺が降りる時、

話を聞いて貰えただけでも嬉しかったです!

と元気に言ってくれたが、車が立ち去る時、後部座席から勝ち誇ったようにして

Aさんの背中にまとわり付く、その女を見て、

これは、Aさんが死ぬまで絶対に離れる気はないらしい。

いや、憑りついて早く殺そうしているだけか。

そんな事を考えると、何も出来ない無力さと、世の中にはまだまだ恐ろしい

モノが存在している、と改めて思い知らされた。

このタクシーは実在する。






Posted by 細田塗料株式会社 at 15:19│Comments(5)
この記事へのコメント
営業のKさん

今頃は、ステージで華やかに歌うミニスカ・サンタ、その横でギターを奏でている頃でしょうね・・・トナカイ姿で(笑
大いに盛り上がる事をお祈り致します。
なんて理不尽な話しなんでしょうか・・・夜の街を我が物顔で跋扈する雲助でもなく、真面目にコツコツ働いて居られるご様子。
ある日突然、当たり屋霊に運悪く出くわし、その後の人生が狂ってしまう・・・考えてみれば、誰にでも起こりうる事かも?知れませんね(泣

その運転手の方が持ち合わせた宿命・・・前世や先祖の祟りが今世になんて伏線があるのなら、そんな事もあるんだな・・・とある意味理解も出来ますが、何の因果もないのなら本当、理不尽な出来事です。

まぁ〜それがKさんの仰る、世の中どうしょうもない事もある・・・なんでしょうね。

それでは、次回も怖くない話を楽しみにしております。
Posted by 中西 at 2016年12月18日 19:55
k様
私その真面目で人の良い運転手に同情します。
先祖霊とか助けてくれないのかと歯がゆい気持ちです。
悪い霊に気に入られて・・・・
なんとか救われてほしいです。
Posted by ちんぱん at 2016年12月19日 19:55
いつも、ありがとうございます。
ある種、寝る前に読む童話のように、読むと眠くなり、おかげさまで熟睡させていただいてます。とても読みやすい文章で、しかもすべてが説得力のある怖い話しですね。今回の話しも鳥肌がたちました(笑)ますますの連載を心まちにしております。
Posted by 大阪けろた at 2016年12月21日 20:50
Kさんこんにちは
ようやく最新話を読破し、過去話をランダムで読み返しております。
 この話、最初読んだ時は人として当然の事をしたにも関わらず霊に憑りつかれてしまって、この運転手さん何と理不尽な目に遭ってるんだ…
この霊は見境も無く現れて良心を持ってる人間に危害を加えて楽しんでるのか?ふざけやがって!と思いました。
 全話読んでからもう一度読んでみると、
もしかしてこの運転手さん過去に人としてやってはいけない事をしたんじゃないか?と勝手に想像してます。
だって、ひき逃げなんて人としてしてはいけない事だし、人として当然の事をして憑りつかれるなんて、、、
私には理解できません。
 心霊現象なんてそう言うものなんだと言われればそうなのかも知れませんが、
もし、私が同じような現象に遭ったら「ふざけんな!うましか野郎!!」って言ってやります(; ・`д・´)
あっ、いや、絶対遭遇したくないです( ;∀;)
Posted by T at 2017年06月07日 18:14
kさん こんばんは そのタクシー運転手さんに同情します。袖振り合うもなにかの縁 なんとかならなかっんでしょうか!神にもすがる思いでうちあけたと思うのですが・悪霊退治誰かしてあげて下さい。
Posted by at 2017年09月07日 23:35
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