2017年01月12日

浅野川での怪異!

サインディスプレイ部 営業のKです。

いよいよ、本格的に寒くなってきました。

明日の朝には、一面雪景色なんだろうか?

寒いので、早めに、怖くない話、1話アップしますね!

それでは、どうぞ!


これは俺が体験した話である。

金沢市には、犀川と浅野川という2本の川が流れている。

確か、犀川を男川、浅野川を女川というらしいのだが。

俺の勝手な印象からいうと、犀川の方が“危険な川”だと感じていた。

実際、浅野川というと、友禅流し、といった具合に、伝統工芸と

深く結びついた情緒のある川という印象は誰しもが持っているのだと思う。

ただ、だからこそ、昔々の伝統の裏に隠れてしまっている陰の部分という

のも、存在しているのかもしれない。

そして、今回の話は、そういった陰の部分のごく一部をみてしまった、ただ

それだけなのかもしれない。

その日、俺は朝7時に輪島まで、仕事で行かなければならなかったので、

とにかく急いでいた。

まだ暗い午前4時に家を出た。

そして、当時の能登海浜道路に乗る為、浅野川沿いの道路を営業車の

ワンボックス車を走らせていた。

眠い目を擦りながら、ブラックコーヒーで無理やり眠気を飛ばす。

その日は、そもそもおかしな天気だった。

街中を走っているときには、間違いなく雨は降っていなかった。

が、金沢駅を超え、浅野川線の線路と平行して走る頃には、明らかにポツポツと

雨が降っていた。

しかも、まだ、夜は明けていない筈なのに、曇り空を割って、地上に光の帯

の様なものが届いており、そしてそれは、間違いなく俺がその時、側道を

走っている浅野川を明るく照らしていた。

こんな天気っていうのも在り得るのか?

そんな事を考えながら、自然に視線は浅野川の方へと向いてしまう。

そして、そこで摩訶不思議な光景を目撃する。

何かが川の中を泳いでいる。

魚とか動物ではなく、紛れもなく人間の姿をしたもの。

長い着物を着た女性らしき者が、川の中を泳いでいる。

それも、顔も全て水中に沈めた状態で、手足をピンと伸ばした状態で

潜水しながら、それは車のスピードと同じ速度で進んでいる。。

俺は呆気に取られ、思わずブレーキを踏んでしまう。

停止した車から、身を乗り出すようにして、川の方を覗き込む。

そして、それは、俺が車を停止した事に呼応するかのように泳ぎを止め、そして

水面へ浮かび上がった。

最初、水死体がなにかだと思った。

が、次の瞬間、それはバシャという水音と共に、川面に立ち上がった。

何故か距離感がおかしかった。

今、俺がいる道路から川面までは、少なくとも20メートル位は有る。

なのに、立ち上がったその女は、とても背が高く、そして顔が鮮明に

分るくらいに近く見える。

長い髪からはポタポタと水が滴り、切れ長の目からは黒目しかない目が

俺を見つめていた。

周りには、走ってくる車はおろか、人っ子一人居なかった。

今、その空間に居るのは、俺と、その女だけだった。

それが、とても怖かったのを覚えている。

俺は思わず息を呑み、心臓の鼓動が激しくなるのを感じた。

そして、次の瞬間、更なる恐怖が俺を襲う。

その女が、笑ったのだ。

切れ長の目を大きく開け、そしてニンマリと大きな口で笑った。

そして、その女は、体の向きを完全に俺の方へと向ける。

やばい!

そう思うと、すぐに体が反応してくれた。

車を急発進させ、早くこの場から離れようとした。

そして、恐る恐る川の方を見ると、また、女は川の中を潜りながら進んでいた。

そして、それは先程よりも、かなり速く感じ、そして少しづつ俺が走っている

道路の方へと近づいて来ていた。

先程まで聞こえていた車のラジオも、既に消え、代わりに、得体の知れない

女の歌声のようなものが聞こえてくる。

どうすれば良い?

自問自答する俺。

だが、答えなど見つかる筈もなかった。

すると、前方の川原に人影が見えた。

やった!人がいるんだ!

そう思い、喜んだが、どうも様子が違う。

なので、車のヘッドライトをハイビームにして確認する。

すると、そこに居たのは、ボロボロの服を着た古い時代の農民らしき姿。

それが、手招きするように動きながら、道の脇にザワザワと立ち埋め尽くしていた。

そして、それらの手は、グングンと伸びて、車を掴み止めようとする。

国道の下を通り、中学校の近くまで来る頃には、もうかなりスピードは

落ちていた。

そこで、再び、先程の女が視界に入る。

それは、滑るようにしながら川原を移動し、そして近づいて来ていた。

岸に上がったその女は、とてつもなく大きく、そして、長い着物を引き摺りながらも、

平行移動するかのように、車を追い越し、そして前方の道路に出てこようとしている。

どうする?

焦って、うまく考えなれない。

すると、前方の左方向に、光が差したのが見えた。

そろそろ夜が明けて来ているのがわかった。

それで、俺は思いっきりアクセルを踏んだまま、ハンドルを左に大きく切る。

何か光の中へ入っていき、包まれている様な気がした。

そのまま、踏み切りを渡り、問屋団地の方向へと車を走らせた。

もう必死に車を川から遠ざける事しか考えていなかった。

そして、前方の信号が赤になり、車を停止させ、ふと回りを見ると、もう

そこは、いつもの車が往来する道路だった。

俺は、ホッとしてしまい、そのままシートを倒し、しばらく横になった。

そして、ハッと気がつくと、辺りはもう朝のラッシュが始まっていた。

その後、朝の光の中、輪島まで車を飛ばしたが、遅刻してしまい、上司から

大目玉をくらったのは言うまでもない。

この浅野川の魔物?は何者で、そして何がしたかったのかは未だに判らないが、

それでも、いつ、誰にでもそれと遭遇する機会はあるのだと思っている。

その浅野川を泳ぐ女は実在する。




Posted by 細田塗料株式会社 at 13:08│Comments(2)
この記事へのコメント
営業のKさん

こちら福岡も、太陽は顔を覗かせているものの空気は乾燥して冷たく、底冷えのする昼間でしたよ。
明日の冷え込みも厳しくなりそうです。

浅野川ですか・・・書き出しの言葉にある友禅流し、長い着物、水中・・・浮くでもなく沈むでもなく、ゆらゆらと川の流れに実を任せ、余分な物を洗い落としてゆく染色後の反物に纏わる話かと思いきや・・・異様な背丈、黒目のみの眼、車を停止させる程の力・・・めちゃくちゃ怖くない話やないですか(泣


それにしても、Kさんに迫るその魔物達の目的は一体何だったのか・・・ご・・・ご無事で何よりです(泣

それでは、次回も怖くない話を楽しみにしております。
Posted by 中西 at 2017年01月12日 21:58
過去にも何度か、何故出てきたのが解らないと言う書き込みありましましたが、、、
恐らく、読者に危害が及ばない程度の書き込みなんでしょうね?…
今夜は酔ってるから夜なのに読んでます(汗)
お身体には十分お気をつけて下さい(^^)
Posted by T at 2017年05月21日 22:06
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