2017年03月13日

死人の指紋認証

サインディスプレイ部 営業のKです。

体調が優れず、仕事がこなせるか、心配でしたが、

仕事中は気が紛れるというか、なんとか仕事に

支障はでませんでした。

風邪とは違いますし、花粉アレルギーでもないですし、

やはり、霊障・・・・・・・・・

ということで、1話アップして、さっさと寝ます。

それでは、どうぞ!



これは、俺の友人から聞いた話である。

その話の主人公である彼には、とても大切にしている彼女がいた。

いつも、何をするのにも常に一緒に行動した。

喧嘩をしたのも見たことがない。

それくらいに仲の良いカップルだった。

いつも、お互いが持つスマートフォンに指紋認証をかけ、そして2人の指紋を

登録し、いつでも、お互いのスマホを見ても良いというルールを作った。

お互いが、相手に対して絶対に隠し事をしないように・・・・。

だが、とある誤解から、彼は酷い罵声を浴びせかけたうえで、彼女の前から

姿を消した。

それでも、彼女は、いつか彼氏が連絡してきてくれると信じて、じっと我慢

した。

それでも、1ヶ月が過ぎ、半年が過ぎとしていくうちに、彼女は自暴自棄に

なってしまったのだろう。

ある日、彼女は、交通事故で亡くなる。

目撃者の話では、まっすぐに橋げたにぶつかっていき、そのまま川に落ちたという。

そして、懸命の捜索の甲斐もなく、彼女の遺体は見つからなかった。

そして、その話が彼の耳に入ったとき、彼は思わず絶句してしまう。

そして、涙がとめどなく流れた。

その後、彼女の遺体は相変わらず見つからなかったが、それでもどこかで

区切りをつけなければいけない、ということで、彼女の葬儀が執り行われる。

その場に、参列した彼は、親族から罵声や嫌味を浴びせられたが、そんな事よりも

彼女が、この世から消えたという事実をまだ受け止める事さえ出来なかった。

それくらいに、彼の彼女を思う気持ちは、実は強かったということに彼も気付いたが、

何よりも、その事が一番知りたかったのは、他ならぬ彼女だったのかもしれない。

しかし、時間というのはつらい記憶も、強い愛情も風化させてしまうもので、彼女が

事故で他界してから2年が経とうかという頃、彼には新しい彼女が出来た。

名前も年齢も違うが、何処か亡くなった彼女の面影がある女性だった。

彼と新しい彼女は、すぐに強い愛情で結ばれた。

だが、彼は、その彼女とは指紋認証の共有はしなかった。

彼が使うスマホには、まだ亡くなった彼女の指紋が登録されており、後ろめたい気持ち

もあったし、指紋認証の共有をしてしまうと、また今の彼女も何処かへ行ってしまう

ような気がしたから。

だが、彼が今の彼女と付き合い始めてから、1つだけ引っ掛かる事があった。

それは、誰かが自分のスマホを盗み見た様な形跡があったことだった。

そして、その疑問はそれから、しばらくして解ける事になる。

ある日、彼の住むアパートに彼女が泊まりに来た。

初めて、彼女と一夜を過ごす事に彼は舞い上がっていた。

だから、部屋の模様替え、掃除などを徹底し、彼女を迎えた。

彼女が作る手料理は美味しかったし、一緒に過ごす時間はとても速く感じた。

そして、明日は一緒にショッピングでも行こうと約束して、彼らは眠りについた。

疲れているのか、彼女はすぐに寝息を立て始め、その寝息を聞いていると、また

彼も心が安らいで、すぐに眠りにつく事が出来た。

だが、夜中の2時頃、彼は何かの気配を感じ、目を覚ます。

すると、暗闇の中で、彼女が何かをしていた。

彼は、しばらく彼女が何をしているのか、探ってみていた。

すると、彼女の肩越しにうっすらと光が漏れていた。

彼は思った。

もしかすると、俺のスマホを盗み見ているのは彼女なのか?と。

しかし、彼のスマホは指紋認証が掛かっており、彼自身か亡くなった彼女の指紋

にしか、反応しない筈だったので、彼は、彼女が犯人だと考えるのは止めた。

それにしても、彼女は一体なにをしているのだろうか?

彼はそっと上体を起こし、そーっと彼女に近づいていき、背後から彼女の様子を

窺った。

すると、彼女の手には彼のスマホが握られており、彼女は、そのスマホを隅々まで

チェックしている様だった。

やはり、彼女だったのか!

彼は、がっくりとしてしまい、体から力が抜けていくのを感じた。

そして、次に

どうして彼女が指紋認証を解除出来たのか?

という疑問が生じる。

彼は少し怒っている事もあり、単刀直入に彼女に問いただそうと、彼女に声を掛けた。

何してるの?

少し怒った口調で言った。

しかし、彼女は何の反応も無かった。

そこで、彼は彼女の前に回りこみ、彼女の顔を覗きこんで、更に大きな声を

出そうとした。

しかし、彼は言葉が出せなかった。

そこで、彼のスマホをジッと睨みつけ、動かしていたのは、紛れもなく亡くなった

彼女だった。

彼は体が硬直し、そして声も出せない状態だった。

すると、突然スマホを見ていた元彼女が彼の方を見て、そして立ち上がった。

彼女は、まるで水の中から這い出てきたかのように、びっしょりと濡れており、

服からは汚い水がポタポタと落ちている。

立ち上がった彼女は、彼の目をじっと見つめて

うそつき!

と低い声で一言呟くと、顔がどんどんと崩れだした。

そして、そのまま後方へ滑り、そして壁の中へと消えていった。

彼は呆然としていた。

何が起こっているのか、理解できなかった。

あれが亡くなった彼女だとしたら、最近付き合いだした彼女は一体誰なのか?

恐怖で動けなかった彼も、その後、アパートを出て、コンビニで夜が明けるまで

を過ごした。

そして、その日の昼間、2年前に亡くなった彼女の遺体が発見された。

川の下流近くで釣りをしている人に発見されたらしいが、その死に顔は既に

腐乱し、殆ど骨だけになっていたという事だが、それでも、検視を担当した

方や警察は、これほど不気味で恨みに満ちた顔の遺体は見たことが無いと

言っていたと言う。

この彼は今も誰とも付き合えず、一人身のままである。

この彼と彼女は実在した。




Posted by 細田塗料株式会社 at 20:03│Comments(3)
この記事へのコメント
彼女、彼氏の事恨んで離れないかも・・・
生きてる間に誤解がとけなかったものかと。
Posted by ちんぱん at 2017年03月13日 22:07
Kさん、こんばんは。

まだ体調は戻りませんか、やはり何者かが憑いているのでしょう。ほら、あなたの後ろに呆れた顔の奥さんが… すいません、ついつまらない冗談を。

話に出てくる亡くなった彼女は、その彼の言動が例え一時の過ちとは言え、絶望する程にショックだったのですね。何しろ亡くなってからも携帯をチェックして、彼の本意を確かめたかったのでしょうから。

「ちょっと待て、その一言が仇となる。」お互いに気を付けましょう。

それでは、また次の話を楽しみにしています。
Posted by TO at 2017年03月13日 23:14
営業のKさん

朝夕は冷え込むものの、昼間の陽気は心地良い今日この頃です。

誤解が解けぬまま、二度と出会うことの出来ない状態になったと思いきや・・・別人に姿を変え?元彼の携帯を確認したと言う事ですね。
本当に興味深いですね、肉体がなくても指紋承認をクリアできるなんて・・・。
情熱・・・それが負の方向に向かった時の怖さ、程好くの難しさを感じます。
愛はただ愛する事・・・歌の歌詞にありましたが・・・。

それでは、次回も怖くない話を楽しみにしております。
Posted by 中西 at 2017年03月14日 15:27
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