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2017年03月20日

飛頭蛮というもの・・・・。

サインディスプレイ部 営業のKです。

お陰様でとりあえず身の回りの怪異は

収まっております。

ちなみに、コメントで、もっと普通の出来事もブログに・・・

というお言葉を頂きました。

ただ、他のブログを書かれている皆さんのように、

マメな性格ではありません。

なので、美味しい物を見ると、写真を撮る前に

箸が動いてしまいます。

綺麗な風景を見ても、基本的にあまり興味が無いせいか、

帰宅してから、あっ写真撮るの忘れた・・・。

といった感じになってしまいます。

それに、ブログに書ける様な素敵な毎日を送っておりません。

やはり、才能の無い私には、怖くない話を書き続ける

しかないのかもしれません。

ということで、今日も晴天の中、せっせと書いた話を

アップさせて頂きます。

それでは、全く怖くない話、スタートです。

どうぞ~


これは俺の友人から聞いた話である。

友人は、石川県南部の山間にある村の出身である。

そして、この話は、彼が田舎を離れて金沢市に移り住んだ事、そしていまだに

絶対に山や林の中へ入れなくなった事の原因になった話である。

それは彼が中学生の頃の話だったという。

その日、彼は祖父に連れられて、山へと入った。

山菜取りと併せて、鹿や猪などの猟をする為だったという。

朝早くからお弁当持参で家を出て、山に入った。

彼自身は、山菜取り専門だったので、順調に持参した袋はいっぱいになったのたが、

祖父の猟は散々だったという。

その日に限って何故か、鹿や猪はおろか、他の小動物すら、完全に姿を消した

かのように、一匹も見つけられなかった。

そして、お昼の弁当を食へ終わると、今度は山の更に深いところまで行ってみる、

ということになり、出発した。

山が深くなると、段々と足元が草木に隠れてしまい危険だったので、木の棒を

拾い、その棒で草木を叩きながらヘビがいないか確認しての動きになってしまい、

なかなか進む事が出来なかった。

それでも、何とか山の奥深くまでやってくると、そこで待機して動物が来るのを

待つ事にした。

彼と祖父は、大きな木の幹に乗って、時間をつぶした。

山の奥深い場所は、昼でもかなり暗く、それだけで彼には十分な恐怖だった。

しかし、そこまでの行程での疲れが出たのか、その場所が暗いという事も手伝って

彼と祖父は、そのまま木の上で寝入ってしまう。

どれくらいの時間が経過しただろうか。

彼は祖父に揺り動かされて目が覚めた。

彼は、

動物見つかった?それと今何時くらい?

と呑気な質問をしたが、その時の祖父の顔はとても厳しいものであった。

そして、

やはり、動物達が消えたのは、アイツらのせいだったのか。

としきりに悔やんでいる様子だった。

だから、彼は祖父に聞いた。

アイツらって誰?

すると、祖父は

しっ、声を出すな。アイツらに気付かれる。

そして、お前は何があっても絶対に目を開けるな。そして、ピクリとも動くな!

そう言われたらしい。

何を勝手なことを言っているのか、と少し腹を立てた彼は、わざと大きめの声で

こう答えた。

声だすな。目を開けるな。そして動くなって、無理に決まってるだろ。

大体、じいちゃんが、こんなところに連れてきたからだろ?

と言いかけたところで、祖父が彼の口を塞いだ。

そして、涙を流しながらこう言った。

本当にすまんな。

でも、お前を護る為だから。

だから、今だけはワシのいう事をきいてくれ・・・

と懇願された。

いつもとはまるで違う祖父の姿に、彼は、そんなに恐ろしいモノなのか?と思い、

それに従う事にした。

それからは、祖父が彼の体を抱きかかえるようにして、彼は目を閉じてジッと

していた。

それでも、時折聞こえてくる何かがもの凄いスピードで近づいたり遠ざかったり

しているような風切り音を聞いた。

そして、その度に彼を抱く祖父の手にも力が入るのがわかった。

あんなに豪傑な祖父をこれほどまでに怖がらせるものとは、一体何なのか?

それを考えると彼の恐怖は更に増した。

そして、祖父が小さな声でボソッと言った。

今夜はたぶん帰れんと思うが、我慢してくれ・・・

しかし、今度は彼も素直に頷くしかなかった。

それほどまでに切迫した状況である事は彼にも既にわかっていたから。

彼は恐怖で自分の耳を塞ぎ、そして微動だにしない時間が延々と過ぎた。

目を閉じ、耳を塞ぎ、口も閉じているのだが、祖父にしっかりと抱きしめられている

という安心感が彼を支えていた。

しかし、ある時、祖父が彼を抱きしめる手が異常に強くなった。

そして、その手はブルブルと震えていた。

そっと目を開けると、祖父も、しっかりと目を閉じ、そして汗が滝のように

流れていた。

その時、彼は祖父をこれほどまでに怖がらせているアイツらというモノにたいして

ある種の怒りを感じていた。

そして、出来る事ならば、彼がアイツらを追い払って、祖父を助けようとさえ

考えた。

だから、そっと祖父の体から覗くようにして、目の前を見てみた。

彼はその時、とてつもない大声を出しそうになったが、それを察した祖父が

一際強く抱いてくれたことで、もしも、声を出せば、自分はおろか祖父までも

食われてしまうと気付き、何とか声を押し殺す事が出来た。

そこには、大きな顔があった。

落ち武者の顔のような大きな顔。

顔だけで、たぶん大人の背丈くらいはあったという。

そんな巨大な顔が3つ、彼と祖父が居る木の上で宙に浮かび制止していた。

ちらっとしか見ていないが、その顔は、男の顔と女の顔があったという。

その3つの巨大な顔が、彼と祖父の目の前で、彼らを睨むように様子を

窺っていた。

そのまま、20分くらい見た後は、また、グルグルと森の中を飛び回っている。

そして、また思い出したかのように、再び、彼らが隠れている木の上まで

やって来ては、彼らが動かないか、を凝視し、そして再び森の中を飛び回る。

そんな事が、夜を徹して行われた。

そして、朝日が差し込み始めると、それらは、何処かへと消えていったのだという。

それを見届けると、祖父は荷物も置いたまま、彼の手を引き、全速力で山を下りた。

そして、その途中で、帰ってこなかった彼らを探しに来た男達と合流し、そのまま

無事に下山できたということだった。

それは、その地域では、昔から伝えられ恐れられている山の神だという事だった。

しかし、数年に1人位の割合で、実際に行方不明者が出たり、無残に食い散らかされた

猟師の遺体が発見去れることがあるらしく、それは今も続いているとの事である。

この話を聞いたとき、昔、中国から流れてきたといわれる、飛頭蛮という妖怪が

頭に浮かんだ。

確かめてみたいが、出会ったらきっと助からないだろう。

この妖怪は実在する。




Posted by 細田塗料株式会社 at 19:14│Comments(3)
この記事へのコメント
営業のKさん

こちら福岡、春分の日の今日は曇りのち雨・・・暑さ寒さも彼岸まで、いよいよ春ですね〜。
え〜と、今日の昼飯はカップヌードルシーフードと辛子高菜おにぎりでした(笑


山中で思い出すのは・・・二十歳の頃、レース資金を捻出するのに、地元教育委員会で遺跡調査アルバイトをしていました。
例えば、南側の山頂から流れる水流に沿って、住居跡や土器の破片などか無いか探索する事が希にあります。
そんな中「大」を催す事があるんですね・・・地面に穴を掘り排泄し埋めれば終了なのに、その最中、ガサゴソと草を分け落ち葉を踏み締める音が背後に近づきます(泣
そして、「フゥッ、フゥッ」とその者の息遣いまでも・・・しゃがんだ体勢のまま勇気を出して振り返ると・・・なんと野犬が数頭!思わず「ウオーッ!」と絶叫しました(笑

本当に、Kさんは引出しが多いですね〜。
これからも怖くない話を楽しみにしておりますが、くれぐれもご自愛下さい。
Posted by 中西 at 2017年03月20日 21:58
Yahoo!ニュースに紹介されていたのを見つけて、毎回怖い思いをしながらも楽しく読ませていただいています。
ご家族にご負担の無い範囲で怖くない話を書き続けていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
Posted by とんぱ at 2017年05月23日 12:23
度々御邪魔致します、通りすがりで御座います。

飛頭蛮とはまたマニアック(ろくろ首ではないあたりが)と思いましたが、どうやら多くの人にとってろくろ首とは首が伸びるモノであり、首が抜けるモノではなくなってしまったようで……元々は上記の2タイプだったんですが。
更に面白いことに、江戸時代の図像では首が異様に細かったのですが、時代が下るにつれて首が太くなるという変化が見られるのも特徴かと。

ついでに世界に目を向けて、飛頭蛮のお仲間を御紹介させて頂きます。
頭だけが浮遊するのはチリのチョンチョン(コイツはダンボみたいに耳で羽ばたくらしい)、ペルーのウミタ、マレー・ボルネオのペナンガラン(コイツは浮遊する首の下に内蔵をぶら下げていて、しかも夜にはその内蔵が光るというオマケつき)、タイのガスー、ミャンマーのケフィン、カンボジアのアープなど。更に魔女としては上半身が蝙蝠の翼を生やして浮遊するフィリピンのマナナンガルなどが伝承されております。
不思議と東南アジアに伝承が多いようで、飛頭蛮も東南アジアから中国に渡った妖怪なのか(実際、唐代の南方異物誌という書物には飛頭蛮が嶺南、即ち現在の中国南部からベトナムにかけての地方の洞穴に棲むとの記述がある)と考えたりしています。

しかし長々とすみませんでした。
通りすがりは中々の妖怪馬鹿なので御容赦してくださいませ。
Posted by 通りすがり at 2017年05月28日 14:14
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