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2017年04月03日

そのタクシーに乗ってはいけない!

これは俺の友人が体験した話である。

その日、彼は仕事の接待で片町へ。

特に大事なお客さんの接待だったらしく、事前に店を吟味し、2軒目、3軒目

までも用意して接待に臨んだ。

接待はうまくいったのだが、接待の相手というのが、とても酒が強く、

結局、午前2時半頃まで飲んでいたという。

その夜は何故か片町が飲みに来た人達で、かなり混雑していたようであり、

タクシー乗り場は長蛇の列。

なんとか、お客さんをタクシーに乗せて見送りを済ませた。

そして、いざ、自分がタクシーに乗ろうとした時には、タクシー乗り場の

長い列とは対照的に、タクシーは全くやって来ない。

彼の家は金沢市の端にあるので、歩いて帰宅というわけにもいかず、彼は

何処かにタクシーが停まっていないかと探しながら真夜中の片町を彷徨った。

すると、1台のタクシーが人ごみを避けるように停まっていた。

彼は、やった!と喜び、そのタクシーへと近づいていく。

タクシーはどうやら個人タクシーのようであり、全身真っ黒な車体に

名前すら入っていない。

ただ、屋根にタクシーという表示板は付いており、タクシーである事は

間違いなかった。

車はかなり古いトヨタのク○ラウンだったが、贅沢を言える場合ではなかったので、

彼は迷うことなく、タクシーの後部座席の窓をコンコンとノックした。

すると、タクシーのドアがギギッという音を立てて開いた。

彼は急いでそのタクシーの後部座席へと乗り込み、行き先を告げた。

すると、運転手は、一言も喋らないまま、そのタクシーはスーッと静かに動き出す。

まるで、ハイブリッド車に乗っているかのように、本当に静かに滑るようにして

発進したという。

もともと、営業肌である彼は、

やっぱりク○ラウンみたいな車になると、静かですね~

とか

今夜の片町は人がいっぱいで商売繁盛でしょう?

などと話しかけるが、運転手は、一言も返してくれない。

少しムッとしたが、それでも飲み疲れていた彼は、まだ自宅までは、時間が

かかるだろうから、少し眠ろう、と思い、そのままウトウトしてしまう。

それから彼が目を覚ましたのは、約20分ほど経った頃だった。

ギシギシと揺れる車体に、揺り起こされてしまった。

しかし、もうそろそろ自宅も近くなって来た筈だと、彼は眠い目を擦りながら

体を起こし、窓からの風景を見た。

そこは、彼の家の近くはおろか、見たことも無い様な、田園風景だった。

そして、道はデコボコの有る砂利道らしく、車体が大きく揺れていた。

彼は、慌てて、タクシーのドライバーに怒鳴りつけた。

ここは何処だ?何処を走ってるんだ?と。

眠気も酔いもすっかり醒めてしまっていた。

しかし、タクシーのドライバーは、全く反応が無かった。

だから、彼は、身を乗り出して、ドライバーの服に掴みかかった。

しかし、次の瞬間、彼は、服を掴んだ手を放して、力なく後部座席へと

へたり込んだ。

運転席に座っていたのは、ドライバーではなく、ただのマネキンに服を

着せたものだった。

ただ、それでも相変わらず、そのタクシーはゆっくりと田園風景の中を

走り続けていた。

彼は既に何が何だか判らなくなっていた。

それでも、車から飛び降りようと、ドアノブをガチャガチャと動かしたり、

ドアを外側に強く押したりもした。

しかし、ドアは、まるで、何かで固定されているかのように、びくともしない。

彼にはもう、そのタクシーから逃げ出す方法は残されていなかった。

だが、諦めきれない彼は、運転席に座り自らが運転しようとする。

しかし、ハンドルを回そうと、ブレーキを踏もうと、車は何の反応もしない。

万策尽きた彼は、力なくタクシーのライトが照らし出す前方を見ているだけだった。

すると、ある事に気付く。

どうやら、タクシーが走る道の両側に人らしきものが立っている。

老若男女、さまざまだが、との顔にも生気がなく、ただ呆然と立ち尽くしている。

そして、それはタクシーが進んでいくに従って、段々と、人の体をなさないもの達

へと変わっていく。

そして、それらは、先程の生気の無い者達ではなく、ギラギラした目を彼に

注ぐように、じっと睨んでいる。

顔が潰れている者、手足が無い者、そして、明らかに人間とは違う者達が、タクシー

の後部座席に座る彼に視線を集中していた。

おいおい、こんな処で間違っても止まるなよ!

と彼は思った。

しかし、車の速度は少しずつ落ちていき、結局、その異形のモノ達の中で静かに

停止した。

すると、まるで砂糖にたかる蟻のように、一斉にタクシーめがけて駆け寄ってくる。

彼は、先程、どんなに開けようとしても開かなかったドアが簡単に開けられる

筈はない、と高をくくっていたが、次の瞬間、ドアは簡単に開けられてしまう。

そして、なだれ込むようにタクシーの中へ侵入され、そして彼は、その異形の

モノ達に車外へと連れ出されてしまう。

そして、砂利道を彼の手を掴んだモノ達が、先方へと進んでいく。

すると、前方に、何やら門の様なものが現れる。

彼は何故かは分らないが、その門をくぐってしまったら、もう戻れない、という

気がしたという。

だから、残された精一杯の力で抵抗した。

だが、彼を連れて歩く異形のモノ達の力は凄まじく、彼は引き摺られるように、

前へ前へと進んでいく。

この時ばかりは、本当に必死だったのか、日頃、無宗教で信心などとは無縁の彼が

初めて神様に祈った。

このまま妻と子供を残して死にたくない!と。

すると、前方から強い光が近づいてきて、彼を包んだ。

そして、その後、彼は病院のベッドで目を覚ます。

どうやら、片町からの帰り道、彼は信号無視の車に撥ねられてしまったようだった。

そして、生死の境を彷徨い、何とか意識が回復したのだと聞かされた。

だが、彼は、その時の事を夢だとはどうしても思えなかった。

何故なら、彼の両手と背中には、異形のモノ達に連れまわされた時に付けられた

であろう、手形の痕がしっかりと残っていたのだから。

それから、1年後くらいには彼は退院し、普通の生活を始めた。

そして、相変わらず、接待で飲みに出る事もあるそうなのだが、その時に見た

タクシーと全く同じタクシーが、何度も停車しているのを目撃したという。

このタクシーは、今夜も片町に停車している。




Posted by 細田塗料株式会社 at 19:50│Comments(3)
この記事へのコメント
営業のKさん

夕方に帰宅すると、恒例の野良猫のお世話が始まります。
自宅近隣に無責任に猫を増やす輩が居ます(居ましたかな?)。
それに対抗して、不幸な猫が増えない様に不妊手術を施して来ました・・・自腹で(泣
自宅庭先でご飯を頬張る猫ども・・・その足元に、てんとう虫の幼虫が・・・春ですね〜(笑

東京出張の際は、乗りなれない電車じゃなくタクシー利用が増えます。
羽田空港若しくは東京駅・・・私がそこから毎回、一番に向かうのは靖国神社なんですね。
さすがに、羽田空港からタクシーはないですが、何より運転手さんとの会話が楽しみの一つなんですよ。

そのトヨペット時代のタクシー?、料金設定はどうなってい・・・そこ大切か?
一人乗り突っ込みでした(泣

それでは、次回も怖くない話を楽しみにしております。
Posted by 中西 at 2017年04月03日 21:17
k様
タクシーの運転手さんが見たというのは聞くけで運転手さんとタクシーがあの世のものとは・・・
少しでも隙があると引っ張ろうとしてるんですかねー

中西様
いやー私も野良猫に毎日餌あげてるんです。
前は借りてる駐車場であげてたんですけど駐車場の前の家の人に怒られて・・・
今は猫に教え込んで?別の場所で夜こそこそあげてます。
好きで野良猫になった訳ではないのだからほっとけないですよねー

突然失礼致しました。
Posted by ちんぱん at 2017年04月04日 20:39
営業のKさん

この場をお借りします。

>ちんぱんさん

そうですか〜野良猫への世話行為は、猫を増やすと言う意味で理解を得ません、特に近隣住民の方々には。
ですから、私は地域の動物愛護団体や動物病院の力を借り、TNRを実施し、さくら猫としてお世話をしています。
不妊手術時に雄は右耳、雌は左耳をVにカットされ、それが桜の花びらの様で、さくら猫と呼ぶようです(笑
そんな知識もなかった頃は、家猫として保護していましたが、それにも限界がありますからね(汗

もし、お世話をされている猫がさくら猫でないなら、必ずお住まい地域に、前述の活動をされている方々が居られると思いますので、相談されては如何でしょうか。
そうすれば胸を張って、お世話が出来るかも?ですよ(笑

ちんぱんさんにとって、余計な事にならなければ幸いです。
中西
Posted by 中西 at 2017年04月05日 07:35
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