2017年06月09日

年に一度の大切な夜

>サインディスプレイ部  営業のKです。

今日の夜は、お客さんと片町飲みですので、

早めに1話アップさせて頂きます。

これで、5日連続の更新。

凄いです。アッパレです。

あっ、コメントで誉めて頂いた皆様、

本当に感謝です。

励みになります。

それでは、怖くない話、どうぞ~!


これは俺が行きつけにしているジャズバーの話である。

店にご迷惑が掛かるといけないので店名は伏せておく。

実は、このジャズバー、元々はロックしか聴かなかった俺にジャズの

素晴らしさを教えてくれた店でもある。

その店は平日は、ジャズのレコードが流れていたり、ジャズピアノの

生演奏が聴ける感じなのだが、週末はやはり客も多いせいか、ジャズバンド

の生演奏が聴ける。

特に敷居が高いということもなく、誰でもジャズが好きならOKという、

そんなノリの店なのである。

俺も最初にその店を知り合いと一緒に訪れた際、ロックしかやった事が

無いにも拘わらず、バンドの中で一緒に演奏させてくれた。

その時は、どうしてもフレーズがロック調になってしまい、恥ずかしい

思いをしたのを覚えている。

そして、その店なのだが、年に一度だけ、曜日は関係なく、バンドの生演奏が

聴ける日がある。

その日は、昔、その店で働いていた男性の命日。

とても気さくで、優しく、とにかくジャズが大好きという彼だったのだが、

ある日、不慮の事故で亡くなってしまった。

そして、その彼もバンドではギターとかベースを担当していたので、

俺も彼にジャズギターやジャズベースの弾き方を一から教えて貰った。

そして、それからは、俺がその店に行くと、嬉しそうな顔で迎え入れてくれ、

いつも、取りあえずセッションでもしよう、と突然のバンド演奏が始まる、という

感じだった。

だから、彼が事故で亡くなったと聞いたときには本当にショックだったし、

しばらくの間は、現実の事だとは、思う事も出来なかった。

そして、彼が亡くなってからも、俺は度々呼ばれては、その店で

ジャズを演奏するようになる。

いつも、彼だったら、こんなフレーズを弾くだろうな、とか考えながら

演奏していると、まるですぐ横で、彼が一緒に演奏しているような錯覚に陥る。

で、話を戻すと、年に一度だけ、その店ではジャズバンドの演奏が行われるのだが、

その時は、とにかく凄いお客さんの数で、お店に入りきらない程になる。

その彼の命日の日というのは、とにかく朝から不思議な事が起こる。

その命日というのは夏なのだが、お店のオーナーがお店に来ると、既にクーラーが

ついていたり、トイレが綺麗に掃除されていたり・・・・。

ただ、誰もそれを気味悪く思う者は居ない。

ああ、彼が来てるんだな。

そう感じるだけ。

そして、本番の夜の生バンドの演奏なのであるが、それは変則的な構成になる。

ピアノとボーカル、ギターとドラム、そして、サックス。

そうベース無しでの演奏になるのだ。

その時にはいつも俺が呼ばれてギターを弾かせてもらうのだが、とにかく

暖かい演奏であり、すこぶる評判は良い。

そして、ベースが居ない筈のそのバンドで、しっかりとベースの音が聞こえる。

ウッドベースを弾いているような暖かい低音。

普通に考えれば、何故ベースが居ないのに、ベースの音が聞こえるんだ?

となると思うのだが、その日聴きに来るお客さんは、全て彼の事を知っている

方ばかりであり、まるで聞こえるのが当然のように、ベースの音に聞き惚れている。

涙を流して聴いているお客さんや、彼の名前を連呼しているお客さんもいる。

そう。

その日の主役は、あくまで彼であり、他のバンドメンバーは、皆、脇役だと

認識している。

それでも、楽しいから、毎年、その日が来るのを楽しみにしている。

そして、毎年、彼の為に、カウンターに彼が好きだったバーボンのロックを

グラスに入れておくのだが、気がつくと、そのグラスは空になっている。

今年も、夏が来れば、彼に会える。

そう思うと、ギターの練習にも力が入る。

俺にとっても、かげかえのない、待ち遠しい夜がもうすぐ来る。




Posted by 細田塗料株式会社 at 13:09│Comments(12)
この記事へのコメント
いつも楽しみにしてます(*^^*)

いい話ですね(^.^)
私もその店行ってみたいです(^.^)
Posted by ももちん at 2017年06月09日 13:39
営業のKさん

梅雨の晴れ間・・・蒸し暑い福岡です(汗一仕事が終わり、束の間の休息、昼間の更新ですか、ありがとうございます()笑
それにしても、Kさんの周りにはそんな胸熱なお話しが多いですね・・・私には無縁ですけど。
けれど感動的な体験もあれば・・・怖くない体験も多々ありますもんね(泣

それでは、片町の夜を満喫して下さい。
Posted by 中西 at 2017年06月09日 14:20
心があったかくなる、素敵なお話デス(*^o^*)
いつも、楽しみにしています。
5連投、嬉しいですが、無理しないでくださいませ。
Posted by 加賀市MK at 2017年06月09日 15:55
はじめまして、最近このブログを知りおじゃまさせて頂いております。
いつも怖すぎてコメするどころではないのですが、今回の話は悲しいけどとても素敵な話で感動しました。
Kさんは怖い体験もたくさんされて大変だけど、たくさんの友人にも囲まれてKさんの人柄の良さなんだなと‥
次回の更新楽しみにしてます。
Posted by tomoaaa24 at 2017年06月09日 18:40
初めまして、2ヶ月程前にこの場所を知って、徐々に背筋にヒンヤリするものを感じながら、拝見しました。
早く新しいのがアップされないかなと、日々思ってましたので、毎日楽しみに読んでます。
Posted by aba at 2017年06月09日 19:04
Kさん、こんばんは。

今日は早い更新ですね、今頃楽しんでいるのでしょうか。
久々良い話でしたね。ご当人も年に一度のその日を楽しんでいるのでしょう。
また、気配はしなくても実は毎日そこにいるのかもしれません。

それでは、また次のお話を楽しみにしています。
Posted by TO at 2017年06月09日 20:15
k様
不慮の事故で亡くなったにもかかわらず暖かい良い霊ですね・・・・
やっぱり人は生きてる時も死んだあとも性格というか人格が出るんですねー
最近は怖い話と同様、食欲旺盛な娘さんの話も楽しみにしております。
Posted by ちんぱん at 2017年06月09日 20:28
楽しみにしています。でも頑張り過ぎず、手ぬきして下さいね。
Posted by かずお at 2017年06月09日 21:49
ども、ショッカー戦闘員オスカーです
m(_ _)m
連投…スゴイですね!先ずはおめでとうございます!
そして…Kさんの部屋とかKさん自身お身体大丈夫ですか?(゚д゚lll)
以前、「ねとらぼ」インタビューで肩まわりがって言ってませんでした?気をつけて下さいね。
良い話ですね、あの旅館のお爺さんみたいですね。これからもジャズバーと常連さんを癒して行って欲しいですね。
娘さんの食欲ってギャル曽根さん位あるんじゃないですか?
Posted by オスカー at 2017年06月10日 04:50
連続の更新ありがとうございます。

とても嬉しいです。

今回は心温まるお話で、朝からジーンと胸が熱くなりました。

ジャズって何処か切ないですよね。

明るい感じの曲でも。

私は「バイバイ ブラックバード」

と言う曲が好きです。

明るい曲だけど、歌詞がちょっぴり切なくて…

いつかK様の演奏が聴けたら良いな

お身体大事になさって下さい。
Posted by ミニ子 at 2017年06月10日 05:55
Kさんこんばんは
このお話、Kさんは元よりお客さん全員に聞こえるウッドベースの音色
とても不思議ですね

私の思い違いかもですが、以前UPされてた「くだん」と今回の話、ずっと以前、10年、20年前、、うーん覚えてない( ;∀;)
何となくですが、同じ様な、似たような?話をどこかで見た気がします…
多分ITが無かった頃だと、、、それも不思議です(*´з`)
Posted by T at 2017年06月10日 23:17
良い話ですね〜、久しぶりにうるっと来てしまいました。自分も死んだあとも周りの人達に愛され続ける人間になりたいです。
Posted by 怖くない話! at 2017年06月19日 22:08
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