2017年07月08日

事故に遭った母娘

サインディスプレイ部  営業のKです。

今日もまだ九州北部は激しい雨が降り続くみたいですね。

中西様、はじめ、九州地方にお住まいの方々、

ご自愛ください。

今夜は少し忙しいので、今日は早めの時間に

1話アップさせて頂きます。

それでは、怖くない話。

どうぞ~!


これはバンド関係の友人である看護師さんから聞いた話。

ある所に、30代の母親と10歳の娘という親子が住んでいた。

母親は、夫と離婚していたが、実は娘は母親も父親も大好きで、本当は

離婚などして欲しくはなかった。

父親の所在は母親にも分からないらしく、それでも父親の顔を思い出さない

日は無かったという。

娘はもう一度、お父さんとお母さんの3人で暮らすのが、一番の夢だった。

そして、その気持ちは母親も十分理解していたので、常に娘に対して

申し訳ない気持ちで一杯だった。

だから、せめて父親がいないという悲しみやハンデを出来るだけ感じさせない

ようにと、昼間はフルに働き、それ以外の時間は全て娘の為に費やした。

そんな娘も、母親の苦労を理解していたから、母親の前では決して寂しそうな

態度をとらないように努めた。

そんな母娘だったから、周りからはとても幸せそうに映ったという。

そんなある日の休日、母親は、日々の疲れが溜まっているのもかえりみず、娘を

いつも行きたがっていた動物園に連れていってあげようと、車をレンタルして

出掛けた。

お弁当を作ってもらい、それを一緒に食べるのが待ち遠しかった。

しかし、母親の運転する車は、あまり車の運転が慣れていないことに加え、仕事の

疲れで集中力が欠如してしまい、事故を起こしてしまう。

とても悲惨な事故だったという。

それでも、娘が救助されるまでの間、母親はずっと娘に声を掛け続けた。

大丈夫だから・・・

すぐに助けに来てくれるから・・・・

娘は、体の至る所から激痛が走ったが、それでも姿は見えなくてもずっと声を

掛け続けてくれている母親の声がとても心強かった。

そして、実はこの時、母親はもうこの世にはいなかった。

母親が運転する車は、前方不注意から、前を走るトラックの荷台の下に潜り込む

ような形で突っ込んでしまう。

とっさに、娘の体をシートの下に押し込むような格好で護ろうとした母親は、

その代わりに、自分の首から上の部分を完全に吹き飛ばされてしまっていたのだから。

娘はそのまま意識を失ったが、つぎに起きると病院のベッドの上だった。

奇跡的に助かった娘だったが、それでも両足の骨と右手の手首を骨折し、身動き

出来ない状態であり、更に最愛の母親が亡くなったという事実から、見る者の

涙を誘った。

おかあさん?おかあさんは?

身動き出来ない状態でベッドに横たわりながら必死に母親を呼ぶ娘に対して、

誰もが母親の死を告げるなど出来る訳がなかった。

そんなだったから、必要な手当ての時以外、医師も看護師も、その娘のそばに

立ち寄らなくなってしまう。

何故なら、娘の真っ直ぐで悲痛な目で母親の所在を求められたら、つい本当の

事を言ってしまうそうで怖かったから。

そして、1人で病室で過ごす時間が増えていった娘は、最初はとても悲しそうに

していたらしいが、そのうち、とても元気になっていった。

そして、病室を訪れる看護師や医師に対して、

昨日もお母さんが来てくれたんだよ!

と元気に話すようになった。

それを聞いて、医師や看護師達は、

きっと寂しさから夢でも見てるのかな?

と思ったらしいのだが、実際は違った。

娘が、一人ぼっちの病室で、泣いていると、病室のドアがコンコンと叩かれた。

そして、そのドアから現れたのは元気一杯の母親の姿だった。

そして、母親は、誰も近寄らなくなった病室で、色んな本を読んでくれたり、

色んな面白い話をして笑わせてくれた。

そして、どんなに娘の事を愛しているか、ということを何度も何度も話してくれた。

それを聞くたびに娘は少し照れくさかったが、それでもとても幸せな気持ちになれた。

昼にはあの日食べられなかったお弁当を作ってきて一緒に食べた。

夜は、娘が怖がらないようにと一緒に寝てくれた。

そして、娘が看護師から手当てを受けている時も、別の処置室に行かなくては

いけない時も、いつもずっと側に居てくれた。

体のギブスが取れて、リハビリを始めるようになっても、いつも母親は、

頑張れ!頑張れ!とそばにいて励ましてくれた。

その甲斐あってか、娘は、どんどん回復し、医師から退院の日を告げられるほどに

回復した。

その頃になると、医師も看護師も娘の病室を頻繁に訪れ、色々と話をしてくれる

ようになっていたし、病院の中にも友達が出来ていたが、それでも、娘のそばには

いつも母親が、にっこりと笑っていてくれ、それがとても嬉しかった。

そして、いよいよ退院の日、思いがけない事が起こる。

親戚の家に引き取られる事になっていた娘の前に、父親が現れたのだ。

ごめんな。大丈夫だったか?

父親は娘に駆け寄り、しっかりと娘を抱きしめた。

娘は、これでまた3人で暮らせるようになれたら最高なのにな!

と思ったという。

そして、部屋の中を見渡すと、いつも側にいてくれた母親の姿が見えない。

おかあさんは?

そう言う娘に、父親は、ゆっくりと話し出した。

お母さんは、お家で待ってるから・・・。

これからは、3人で一緒に暮らそうな。

そう言ってくれたのを聞いて、娘の目からは涙がボロボロと零れ落ちた。

そして、すっかり元気になった娘は、医師や看護師にしっかりと挨拶し、父親の

車に向かった。

車に乗り込むと、病院の玄関には、医師や看護師達が、手を振って娘を見送って

くれる姿が見えた。

そして、その中に、母親の姿があるのに娘は気付く。

あっ、おかあさんだ。あおあさ~ん!

すると、娘の目には、深々とお辞儀をしてから、ゆっくりと手を振っている

母親の姿が見えた。

おかあさん、あそこにいるよ?一緒に車に乗っていかないの?

そう叫ぶ娘に、父親はゆっくりと答えてくれた。

おかあさんはね。お前と一緒に事故に遭った時、死んでしまったんだ。

痛かっただろうし、心残りだったと思うよ。

でも、お前は病院にいる間、ずっとお母さんが一緒に居てくれたんだろ?

お前の事をどれだけ愛しているか、話してくれたんだろ?

だから、お前は、そんな凄いお母さんの気持ちに応えないとな。

お父さんも実は最初、信じられなかったんだよ。

でも、お母さんが、毎晩、訪ねて来て、ずっと頭を下げてお願いするんだ。

お前の事をお願いしますって。

だから、お父さんとお前がしなきゃいけないのは、お母さんの事をずっと忘れない事。

そして、お母さんの分まで、しっかり生きて幸せになる事なんだよ。

お父さんとお前が、ずっとそう思い続ける限り、お母さんはいつも一緒に

いるんだから・・・・。

だから、これからは、3人で一緒に生活出来るんだよ・・・

お前の幸せな笑顔・・・・。

それがお母さんの一番の願いなんだから。

わかるな?

そう言われ、ボロボロと流れて止まらない涙を流しながら、娘はしっかりと頷いた。

そして、その後、何度か、娘が病院にやって来ては、色々と話してくれた。

その姿はとても元気で、医師も看護師も、とても安心したという。

そして、帰り際に、いつも娘がする挨拶。

それじゃ、お母さんが待ってるから帰るね~

普通なら、そんな馬鹿な事が・・・・

と思うのだろうが、娘の元気な笑顔を見ていると、そういう事もありえるのかもしれない、

とそこにいる全員が感じているそうだ。




Posted by 細田塗料株式会社 at 12:23│Comments(21)
この記事へのコメント
涙・・・。
Posted by 風来坊 at 2017年07月08日 12:29
K様、二話連続アップ?お疲れ様です。

今回はなんとも不思議な話ですね。ウッヒッグ...おかしいな目からヨダレが。いやー愛の力は奇跡を起こす的な出来事が本当にあるんですね!
Posted by 怖くない話! at 2017年07月08日 13:13
Kさんこんにちは!
更新ありがとうございます。
娘ちゃんは今頃気持よくプールで遊んでますかね
切ない‥お母さん頑張り過ぎちゃいますよね。とても悲しい話でしたけどほっこりしました。
Posted by tomoaaa24 at 2017年07月08日 13:22
Kさんこんにちは。
とてもいい話ですね。感動しました。
お母さんの愛がこんな奇跡を起こしたのだと思います。心があったかくなりました。
くれぐれもご自愛ください。
Posted by 大大大凶 at 2017年07月08日 13:25
友達に勧められてから気に入って毎回更新するたびに読ませてもらってます。
時々このような感動する話があってほっこりします。
これからも楽しみに待ってます。
Posted by KN at 2017年07月08日 13:28
Kさん こんにちは。
バタバタとしており久しぶりに見ましたが、泣きました。
やはり母は強し、ですね。きっとお母さんはこれからも娘さんのそばで見守っていてくれますね。
そんな娘さんはいい女性に成長されるでしょうね。

これからも怖くないほっこりするお話も楽しみにしてます。
Posted by 北米 at 2017年07月08日 14:06
営業のKさん

お気遣い、心より感謝致します。
大雨の峠ば越えたかも知れませんが、しかし、まだまだ予断を許さない、また二次被害の危険も付きまとう福岡です。

太陽が顔を覗かせ、夏の日差しが戻った午後なのに・・・私の眼に写るその風景は、なぜか、なぜか・・・滲んでいます・・・あぁ〜涙腺崩壊・・・(涙

過去の記事にもありましたね。
自暴自棄になり死を選択しようとする母を、慰め励ます娘の魂・・・また、不治の病で闘病を続けるも、自ら生命維持を絶ち、心待ちにする娘の参観日に立ち会う母の魂・・・あぁ〜思い出したら、涙腺崩壊(涙

そうですよね・・・明日の我が身に何が起こるかは、誰にも分からない。
だからこそ、今日を大切に生き、そして明日に繋ぎましょう。

それでは次回も怖くない話しを楽しみにしておりますが、くれぐれもご自愛下さい。
Posted by 中西 at 2017年07月08日 14:09
こんにちは。暑いですね~
もう、涙が……とまらん。よき母ですよね、別れた旦那のところに頭を下げてお願いするなんてそして旦那さんも。
Kさん、なんでこの話を昨日の七夕にしなかったの?そこがダメだな
Posted by いなばっち at 2017年07月08日 17:16
涙が落ちました。
Posted by 武ポンヌ at 2017年07月08日 20:10
Kさん、こんばんは。

私の好きな怪談に、飴を買いに来る幽霊の話があります。死後生まれた赤ん坊の為に、飴を買いに来る話でKさんもご存知だと思います。
それと同じく悲しくも良い話ですね。
しかし、最後の「お母さんが待っているから・・・」の言葉が少し気になりますが、気のせいだと思います。(皆さんが感動しているのに怖い方へ考えて申し訳ありません)

それではまた、次のお話を楽しみにしてます。
Posted by TO at 2017年07月08日 20:24
k様
いい話だなぁ~と思ったけど「お母さんが待ってるから帰るね~」が気になりました。
お母さん娘さんの事が心配なあまり成仏できてないのかなぁ・・・
Posted by ちんぱん at 2017年07月08日 20:45
久々に怖くない話読む事ができました。
悲しくて、でも心があったかいお話ありがとうございます。
いつも、更新ありがとうございます
Posted by 赤毛のmamabu〜 at 2017年07月08日 22:23
感動しすぎて鳥肌がちぎれるかと思いました。なんてことしてくれるんですか!(笑
Posted by TaKa at 2017年07月08日 22:27
良い話。(涙)

いつも怖くない話ありがとうございます!毎回楽しみに読ませて頂いてます!
Posted by ぶるっく at 2017年07月08日 22:43
四人部屋の病室から半月ぶりに解放されました、通りすがりでございます。そして月曜からはまた仕事が……

K様におかれましては、連日の更新大変有り難く思いますが、暑い日が続いていることもあり、呉々も御自愛の程を。

また、コメント欄の常連・中西様をはじめとされる九州在住の皆様、この度の豪雨災害で難儀をされてはおりませぬでしょうか?
出来ることとてありはせぬ身の上ではございますが、遠く東の地より御無事をお祈りしております。

却説、今回の怖くない話ですが……
実は私の親も離婚をしておりまして、どこか身につまされると申しますか、妙に心苦しいような、切ないような、いつになく不思議な感覚で拝読させて頂きました。
どこかで耳に、また目にされた方もおありかと思われます『親思う心にまさる親心』とは吉田松陰の和歌の一節でございます。また、『親になって初めて親の気持ちがわかる』などともよく申します。
が、成人を迎える前に人の親となる事を挫折したまま馬齢を重ねました通りすがりには、なかなかに重い話でございました。
願わくばK様の可愛らしいお嬢様が将来素敵な母親となられますことを……
Posted by 通りすがり at 2017年07月09日 00:47
度々コメントすいません。

ちんぱんさんも同じような印象を持たれたようですね。
あまりに、亡くなった人への思いが強すぎると成仏できないと聞きます。また、亡くなった人が同じように思いが強すぎると怨霊化するとも聞きます。
それとは別に、あまりのショックで心が壊れたとも思われます。その場合は見た目は普通でも、どこかおかしな言動があるとも聞きます。
いったいどちらでしょうか、気になります。
最後は謎めいた締めですね。
Posted by TO at 2017年07月09日 00:53
どもショッカー戦闘員オスカーです。
m(_ _)m
目にジンワリとくる話ですね。
Posted by オスカー at 2017年07月09日 03:20
Kさんおはようございます!
今回のお話…泣けます(๑´^`๑)
親子の絆ほど硬いものは無いですよね…。
うぅ、感動(๑o̴̶̷᷄﹏o̴̶̷̥᷅๑)
Posted by つぼみ(元ひつぎ) at 2017年07月09日 11:00
こんにちは。暑い日がふえてきましたね。

今日のお話、とても心打たれました。
なんかすごいなあ、親って。

そしてこれ程までに愛されている娘さんは、
いつかきっとお母さんのような
世の中に役に立つお仕事をする、
そんな気がします。

心温まるお話ありがとうです。
Posted by まあちん at 2017年07月09日 13:05
話題になった時から読ませていただいてます。
怖過ぎて勇気が出た時に布団に丸まって読み、今はまだ去年の1月あたりです。
私は兵庫県民ですが、縁あり金沢生まれの主人と結婚し、2年ほど金沢に住んでいました。なので、詳しいわけではありませんが、主人と一緒にウロウロした地名が出てきて、懐かしく嬉しいような…怖すぎるような…。・゜・(ノД`)・゜・。
兵庫県のこともチラホラ出てきて、どっちへいっても怖いです。今は主人と兵庫県にいますが、主人にこのブログを読んで聞かせて怖がらせるのが楽しみです(●´ω`●)
続いて読んできます!これからもよろしくお願いします!!
Posted by わか at 2017年07月09日 14:53
では、聞きたい。
なぜ、あらわれてくれる故人とあらわれてくれない故人がいるのか…
後追いをして亡くなってしまう人もいる中、みんなこーやって状況に応じてあらわれてくれたらいいのに。
たったひとめ、もう1度だけでも会いたいって思ってる人もいるだろーし、亡くなった側で思ってる人もいるはず。

絵本まで読んだりしてあげられるなら、凍結された暗証番号はこれだよ(笑)とか、
本当の犯人はこれだよとか(笑)解決する事もいっぱい(笑)

なにが違うのか…
Posted by メチャ✩ at 2017年07月09日 18:53
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